公立大学法人 福島県立医科大学 ダイバーシティ推進室


ロールモデル集

横川 哲朗 循環器内科学講座 助教

横川先生

 まず僕のこれまでの経歴を主に述べますが、私は大学卒業後、福島県立医科大学附属病院で2009年から初期臨床研修医として勤務しました。福島県立医科大学附属病院の指導医の先生方は大変親切であり、どの科でも丁寧に、時には厳しく指導頂き、大変充実した研修医生活でした。さらにローテートする科の自由選択期間も長く、同僚にも恵まれ、医療人育成支援センターのサポート(短期海外研修制度にも参加しました)も行き届いておりました。2年間の初期臨床研修が終わった後、福島県立医科大学循環器内科学講座へ入局しました。福島県立医科大学にて循環器内科としての最先端医療の研修を受け、その後関連病院での勤務を経ている最中に、ライフイベントとして結婚があり、長男に恵まれました。2014年から大阪府にある国立循環器病研究センター心臓血管内科心不全部門で2年間の研修生活を開始しましたが、その際は単身赴任で、同院敷地内の寮でずっと過ごしておりました。循環器内科としての勤務は緊急対応が必要なケースも多く、担当医制であったので、帰郷する時間を多くはとれませんでした。しかし関西の方々も良い人が多く、様々な循環器内科医の先生方と臨床の研鑽も出来、良い時間を過ごせたと思います。その後、福島県立医科大学附属病院循環器内科で臨床業務中心の勤務となりました。
 妻と共働きであったため、その際には福島県立医科大学託児所「すぎのこ園」に長男を預けておりました。「すぎのこ園」での運動会が、福島県立医科大学の体育館で開催され、いつもは仕事上の付き合いであった先生方や看護師さんらと、親同士として接することになるという、貴重な経験をさせて頂きました。さらに長男の体調が悪化した際には、またまた福島県立医科大学附属病院の付属施設である病児病後児童保育所「すくすく」に長男を預け、勤務中の世話をしていただくこともありました。他には男女共同参画支援室のホームページにも記載ありますが、保育所の対応困難な曜日や時間に関しては「福島市ファミリーサポートセンター」の援助を受けることもありました。このように、福島県立医科大学では、男女共同参画支援の観点から、子育てしながら勤務できる環境が大変充実していると思います(ただし、私の場合は手続き等ほぼ全て、妻がしておりました、、、)。
 その後また、関連病院での勤務となりました。循環器内科の臨床医としての勤務については、急性冠症候群に対する緊急心臓カテーテル検査・治療に代表されるように、常時、昼夜問わず臨戦態勢といっても過言ではありませんが、福島県での循環器内科としての勤務は、同僚との密接な連携もとれているため、月に数日は、自分で自由に使える時間を持ち、家族と過ごす時間もとれ、ライフイベントとの両立も十分に可能な環境にあります。その後再度、福島医大へ戻り、2018年から病棟を離れ、現在、外来と研究業務中心の業務となっております。研究業務中心ですと、緊急で救命センター・病棟から呼ばれることはなくなったのですが、ある意味、研究は業務量の上限がなく研究を複数の観点から行おうとする際限なくできてしまうので、研究に打ち込める時間が、業務量を規定するものと思います。また、日常生活は細胞の培養状況(細胞は基本、連日チェックする必要あります)などに左右されます。自分が培養している細胞は自分中心の管理となり、細胞の調子に合わせた生活になるため、臨床業務とはまた違った理由で、なかなか福島県立医科大学にある実験室から離れられなくなります。さらに培養する細胞の種類や数も、研究費がある限りは増やすことが理論上は可能のため、研究をどんどん進めようと思うと、どんどん自分の時間がなくなります。つまり、この研究業務量問題は、家庭で過ごす時間と相反するもので、ワークライフバランスの観点からは、難しい問題と思います。そこで、僕は男女共同参画支援室のライフイベント(育児)を抱えた研究者の研究支援を頂いています。現在、研究支援によって、実験を手伝ってもらってできた時間を朝の保育園への送迎と、子供とあづま運動公園や十六沼公園などで遊ぶ時間とすることが出来、この男女共同参画支援室の研究支援制度には大変感謝しております。他、福島県立医科大学では、男女共同参画支援室によるワークライフバランスなどに関するセミナーの開催が定期的に行われており、育児、介護、出産などのライフイベントとの両立のための医師ら医療従事者の業務負担軽減に関して、考える機会が多くあります。僕はこのように、今まで男女共同参画支援室の支援を受け、ワークライフバランスとの両立を測り業務を継続してきた経験から、男女共同参画支援室の各種制度を活用することを、福島県立医科大学の後輩へ伝えたいと思います。



令和4年度 ロールモデル集 ~福島県立医科大学の後輩へ伝えたいこと~

(所属・役職は執筆当時)

令和3年度 ロールモデル集 ~福島県立医科大学の後輩へ伝えたいこと~

(所属・役職は執筆当時)

令和2年度 ロールモデル集 ~福島県立医科大学の後輩へ伝えたいこと~

(所属・役職は執筆当時)

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