私にとっての聖地

令和6年9月25日、アルツハイマー病に対する疾患修飾薬「ドナネマブ」が、日本で製造販売承認を受けました。これは、昨年承認された「レカネマブ」に続く国内2例目の薬剤です。アルツハイマー病は、認知症が発症する前にアミロイドβプラークというタンパク質が脳内に異常沈着することが知られています。疾患修飾薬は、認知機能障害が生じる前にアミロイドβプラークを除去することで、認知症の発症を予防する効果が期待されています。1906年にアロイス・アルツハイマー博士がアルツハイマー病を発見して以来、長らく不治の病とされてきたこの病に対して、革新的な進展といえるでしょう。
ところで、先日、アルツハイマー博士が医学を学んだ大学であるユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク(ヴュルツブルク大学)との日独連携研究シンポジウムに参加するため、ドイツを訪問しました。ヴュルツブルク大学は、X線を発見したレントゲン博士が教授を勤めた大学としても有名です。診療放射線技師として認知症の脳画像を研究している私にとって、この大学はまさに聖地といえる場所です。今年10月から1年間、ヴュルツブルク大学に留学することになっており、偉大な先人達に恥じぬよう、医学の進歩に少しでも貢献できるような研究を行いたいと考えております。

日独連携研究シンポジウムでの参加者たちの集合写真。前列には福島県立医科大学の5名が立っている。

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