高校教諭サポート研修会を開催しました。
- 教授
- 倉澤 茂樹
- くらさわ しげき
- 発達障害、特別支援教育、学校コンサルテーション
発達障害の作業療法を専門領域とする私は、学校の先生と作業療法士の連携・協業を研究テーマとしています。我が国では出生率が低下し、子どもが減少しています。その一方で、特別支援教育を受けている児童・生徒が増加しているという事実をご存知でしょうか?限局性学習障害や注意欠如・多動症など今まで見逃されてきた神経発達症の子どもたちが、少しずつ認知されており、特別支援教育の対象となっているのです。
神経発達症の児童・生徒への合理的配慮や個別支援を実現するためには、学校の先生の専門性向上が必要です。そこで期待されているのが私たち作業療法士です。私はこれまでに、特別支援学校・学級、通級による指導、通常学級の児童・生徒に対して学校コンサルテーションを30年以上実施してきました。当時では稀であった作業療法士による学校コンサルテーションは、近年、地域に芽生えてきました。
今年度、福島県学術教育振興財団助成対象事業に採択され、本年8月17日に第1回「高校教諭サポート研修会」を開催しました。文部科学省は特別支援教育で多様な学びの場を広げつつあります。このことは通常の高等学校においても例外ではありません。「先生方の戸惑いが少しでも解消できれば…」「苦しむ高校生を作業療法士の知と技で助けたい・・・」そんな思いで研修会を開催しました。
特別講演は早稲田大学の梅永雄二先生を招聘し、発達障害のある生徒が進学・就職する際の困りごとと必要な支援についてご講演いただきました。梅永先生は移行(就労・進学)支援のエキスパートであり、この事業が採択され、一番初めにご講演を依頼した僕の尊敬する先生です。
参加された方々からは「より早期にライフスキルを獲得することの大切さを実感した。」「当事者と向き合ってきた梅永先生の想いがこめられた講演だった。」とのご感想をいただきました。
この事業は来年度も継続申請する予定です。時代のニーズに対応するために作業療法士は多職種から学び、日々研鑽していく必要があります。夏休み真っただ中でも自発的に参加してくれた本学科の学生達…皆さんの成長する姿を楽しみにしております。
