作業と手、感覚
- 教授
- 五百川 和明
- いおかわ かずあき
- 脳卒中リハビリテーション、作業時の心血管反応、脳卒中患者の機能予後・生活活動、等
手を見ると、この人はどんな仕事や生活をしてきたのかを凡そ推測することができます。それほど日々の生活の様々な作業に深く関与する我々の手は、実に多様で且つ巧妙に動きます。それを可能にしているのが手の感覚機能の働きです。
例えばペンで字を書く場合、我々は主に親指や人差し指、中指のペンに直接触れる部分の感覚を頼りにペンを動かします。このペンに触れる指先の感覚が鈍い場合、どの程度の力を入れてよいか分からず、結果として字がうまく書けないといったことが生じます。このように作業と感覚機能は密接に関係しており、作業療法士は解剖学や生理学などの基礎医学の視点で作業を理解することも求められます。
ところで、あるperfumeの香りが以前の恋人との思い出(?)を呼び起こすというフレーズを昨年よく耳にしました。そう、嗅覚も我々の作業に関係する興味深い感覚機能です。
