細胞検査士になるためには?
- 准教授
- 梅澤 敬
- うめざわ たかし
- 細胞診断学(婦人科、頭頸部、膵胆管)、病理組織学、解剖学
私はおよそ30年間、大学病院の病理診断を行う部署で細胞検査士として勤務し、膨大な病理細胞診検体を経験してきました。その経験から、病理診断や細胞診業務は、魅力的でやりがいがあると感じています。
本学部は開学より3年目を迎え、臨床検査学科では令和5年9月より、選抜者5名による細胞検査士養成コースがスタートします。細胞検査士は、公益社団法人日本臨床細胞学会の認定資格です。試験は10月に1次試験(筆記と写真問題)、11月に2次試験(標本を顕微鏡で観察して病変を推定する)があり、年1回行われ、合格率は各々50%程度といわれています。試験の主軸ともいえる2次試験では、標本を顕微鏡で観察するスクリーニング試験と同定試験があります。そのため、細胞検査士養成コースでは、2次試験までに何万枚もの標本を顕微鏡で観察し実力を培います。細胞検査士資格試験に合格後,臨床検査技師国家試験に合格して、細胞検査士となることができます。ダブルライセンス取得までの流れを図に示しました。
細胞検査士の役割の一つとしては、子宮頸がん検診の細胞診検査や、エコー検査やCT検査、内視鏡検査で指摘された病変部へ針を刺して採取した細胞を顕微鏡で観察する検査があります。細胞の種類を正しく見極め、良悪性などを判断しなくてはいけません。ヒトの体の中には様々な種類の細胞があるため、診断の決め手となる重要な細胞を見つけ出す特殊なスキルが求められます。これも細胞検査士養成コースの顕微鏡実習で学びます。
細胞検査士と臨床検査技師のダブルライセンス取得後は、主に病院の病理検査室等が活躍の場となります。現場では様々な医療スタッフと連携し、正確・迅速・安全性を備えた臨床検査技師・細胞検査士が求められます。2025年4月、1期生が臨床検査技師・細胞検査士として羽ばたいてくれることを大いに期待しています。
