もう一人の自分

竜とそばかすの姫、アバター、マトリックス・・・これらの映画はどれも“もう一人の自分”を描写した映画です。描写の目的や方向性はそれぞれ異なりますが、仮想空間では現実世界にはない能力を手に入れる点は共通の描写だと思います。自分にはない能力が手に入る世界、そんな世界が本当にあったら怖いように思いますが、一度行ってみたい気もします。
25年くらい前の話ですが、とある学会の教育セミナーの講演を頼まれた際に未熟者にも関わらず安易に引き受けてしまったことがあります。四苦八苦しながらなんとかスライドは作成したものの前日の夜になっても発表内容がまとまらず焦りと苛立ちだけが募っていました。まったく進展がみられないことから「もう間に合わない。明日、会場で謝ろう。」と諦め、寝ることにしました(1時頃)。すると翌朝(3時頃)、突然目が覚めて、頭の中に次々と発表内容が浮かんでくるではないでしょうか!しかもスライド構成の変更点まで!これ幸いにとメモを取り、スライドを修正し、学会場に乗り込んで無事に講演を終えることができました。
当時は、“人間、あきらめも大事、諦めの境地に至ればなんとかなるもんやな!”と、またまた安易に考えてしまいましたが、今思うに、もしかするともう一人の自分が助けてくれたのかもしれませんね。いや、そうに違いない。誰でも心のどこかにもう一人の自分を持っているのだと思います。

写真は、こちらもかなり前のものですが、某学会で発表した際の写真です。シンポジウムのテーマが“ローマは一日にしてならず”でしたので、これにちなんで演者は全員、月桂冠をつけて発表しました。このような趣向を凝らした企画を行う学会もあります。

学会で月桂冠をつけて発表する男性の姿。シンポジウムのテーマに合わせたユニークな演出。

メッセージ一覧

ページの先頭へ戻る