興味が世界の常識を変える
- 教授
- 豊川 真弘
- とよかわ まさひろ
- 臨床微生物学、臨床検査学
17世紀に、オランダ人のアントニ・ファン・レーウェンフックは自ら作製した簡素な顕微鏡(最大倍率266倍)で細菌や原虫を観察し詳細な観察記録を残しました。さらに、細菌(当時は細菌という概念はないので“小動物”と記載)は自然に発生するのではなく親から生まれることを主張しました。19世紀になってフランスのルイ・パスツールが培養技術を用いて自然発生説を否定することになりますが、その200年も前にレーウェンフックは自作の顕微鏡のみを用いた実験でこれを発見していました。
レーウェンフックは呉服屋の商人であり、素人の趣味で行われていた研究であったことから日の目が出るまでに長い年月を要しましたが、現在の微生物学の発展に大きく貢献した人物です。
写真は下痢を引き起こすランブル鞭毛虫という原虫を顕微鏡(200倍)で観察した写真です。どこにいるかわかりますか?レーウェンフック氏は自身の下痢便を観察してランブル鞭毛虫の発見にも貢献しました。興味がある方は下記URLの論文をご覧ください。
ヒント:右側の小さな写真はランブル鞭毛虫を赤く染色して観察したものです。大きさと形の参考にしてください。
