臨床検査学領域

概要紹介
臨床検査学領域では、感染症、リウマチ、がん、認知症、心血管疾患など、幅広い疾患に対して先端的な研究が進められています。感染症原因微生物の迅速検出法や薬剤耐性機構の解明、日和見病原体の研究などが行われており、臨床現場での迅速かつ正確な診断に貢献しています。また、アルツハイマー病や原発性脳腫瘍グリオーマの診断・治療法の開発が進められており、認知症リスク因子や糖転移酵素の機能解析を通じて、神経疾患やがんの治療に新たな可能性を見出しています。さらに、循環器疾患や睡眠障害の検査法の開発、超音波検査を用いた血管機能や臓器連関の病理学的研究も進行中です。これらの研究は、健康長寿県の実現や質の高い地域医療体制の構築、地域共生社会の推進といった目標に貢献し、地域医療の発展を支えています。
研究科教員紹介
小川 一英(おがわ かずえい) 教授 修士課程
最近の研究課題
- 出血や血栓の原因検索や病態評価に関する研究
- 測定干渉を受けない検査法の開発
- 凝固線溶検査の標準化に関する研究
- 遺伝子変異のある血球細胞が体内で血栓形成を引き起こす病態の解明
研究指導内容
血栓止血検査の開発、改良、標準化に関する研究指導や出血性素因や血栓性素因を検出する検査法の開発および造血器腫瘍の分子病態の解析について研究指導を行う。

宇月 美和(うづき みわ) 教授 修士課程
最近の研究課題
- 関節リウマチ・膠原病の病理学
- 悪性中皮腫の細胞学
- 遠隔病理診断
- デジタルパソロジー
研究指導内容
腫瘍性疾患や炎症生疾患における病態を組織レベルで理解するための病理診断的な研究方法について指導を行う。

豊川 真弘(とよかわ まさひろ) 教授 修士課程
最近の研究課題
- 感染症原因微生物の迅速検出法に関する研究
- 薬剤耐性菌の耐性機序ならびに迅速検出法に関する研究
- 日和見病原体の病原因子に関する研究
- 環境中の病原微生物に関する研究
研究指導内容
菌株や臨床検体を用いて、微生物の病原因子や薬剤耐性機序の解析、感染症迅速診断法の開発などについて研究指導を行う。

北爪 しのぶ(きたづめ しのぶ) 教授 修士課程
最近の研究課題
- アルツハイマー病モデルマウスを使った研究
- 原発性脳腫瘍グリオーマの診断マーカーと治療薬開発のための研究
- 認知症のリスク因子に関する研究
- がん進展に関わる糖転移酵素の機能解析
研究指導内容
モデルマウスや患者検体を用いて、アルツハイマー病の分子病態の解析や疾患バイオマーカー開発について研究指導を行う。

義久 精臣(よしひさ あきおみ) 教授 修士課程
最近の研究課題
- 臨床生理検査を活用した研究(循環器全般、睡眠時無呼吸症候群、心不全、生活習慣病、睡眠、高血圧、脂質異常症、糖尿病、血管機能、臓器連関などに関する分野)
- 血管機能検査、心エコー・腹部エコーなどの超音波検査を活用した研究(負荷心エコーに関する検討、血管機能検査の日内変動、小児・高齢者コホートにおける動脈スティフネスの検討など)
- 睡眠や脳波に関する研究(大学生の睡眠に関する検討、携帯睡眠計やアプリを用いた検討など)
研究指導内容
心電図、脈波、脳波、エコーなど各種生理機能検査に関する臨床データを用いて、関連疾患の病因・病態の解析および生理検査学的バイオマーカーの開発・探索について指導を行う。日常診療で行われる生理機能検査のデータを集計・解析・解釈・発表できる力をつけてもらうように指導を行う。

梅澤 敬(うめざわ たかし) 准教授 修士課程
最近の研究課題
- LBC検体を用いた子宮頸部腫瘍関連の高リスクHPV遺伝子タイプとp16タンパクの発現についての研究。
- 穿刺吸引細胞診のLBC標本を用いた細胞転写法による免疫細胞化学の診断性能と原発巣特定に関する研究。
研究指導内容
婦人科腫瘍性病変における病理学的検査・診断法の最新技術について指導を行う。

鈴木 英明(すずき ひであき) 准教授 修士課程
最近の研究課題
- アミロイドβ前駆体タンパク質の生体内機構の研究
- プロテオスタシス制御に関する研究
- 機能性食品の探索と臨床応用に関する研究
研究指導内容
プロテオミクスによる細胞外小胞を介した細胞間情報伝達機構の解明、関連疾患の病因・病態の解析およびバイオマーカーの探索について指導を行う。

菅野 光俊(すがの みつとし) 准教授 修士課程
最近の研究課題
- アルツハイマー病のリスク因子apoEの翻訳後修飾の機能的意義
- グリオーマの治療薬に資する低分子化合物の探索
研究指導内容
治療薬開発研究のための糖転移酵素の活性測定法の構築について指導を行う。
