菊地臣一 コラム「学長からの手紙  〜医師としてのマナー〜

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80.プライドを持て

昨今男女共人間として或いは男として女としてのプライドを無くしているのではないかとう言う事がマスコミを賑わしています。プライドを男女共に無くしているかどうかの当否はともかくとして、医師はプライドを捨てたら御終いだと思います。プライドをもっているからこそ出来る職業の一つです。何故なら朝早くから夜遅くまで何の時間外手当てもなく働いているでしょう。

自分は人の役に立っているんだと、いう誇りが無い限りはとても出来るものではありません。その証拠に患者さんは一旦入院して病棟医の働振りを見ると、皆驚き、次に尊敬の念をもってくれる事でもその勤務がもっている滅私振りが分かろうというものです。医師に限らず、人間は言い争っても良い、殴りあっても良い、しかし、これ以上は決してしてはならない、それ以上するとその人の人間性を否定する事にもなり、誇りを失う事になる、と言った最低ラインがあります。多分最近の世情はその最低ラインが限りなく下がって来ている事に世の中の人が危惧をもって来た為ではないでしょうか。

医師には、「医師にしか出来ない事がある。医師だからしなければならない事がある」という誇りを失わない限り自分の行動は自ずと決定されてしまいます。ですから難しい事は考えず医師としてのプライドに恥じないかという事だけで物事に判断をすれば良いのではないでしょうか。

 

 

 

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