菊地臣一 コラム「学長からの手紙  〜医師としてのマナー〜

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19.人は褒められると嬉しい

私も含めて褒められると嬉しいものです。昔、他科の先生からの返事に、良く尿路管理がされています、と何気なく書いてある事が未だに忘れられない程です。また、私の結婚式でJBJSに載った症例報告の際に、私が読んだ論文の数の多さは重ねると約2,30m にもなりましたが、上司がそれを覚えていてくれて、それを結婚式で話してくれました。私には、それも忘れられない思い出です。山本五十六元帥の「褒めなければ人は動かじ」という言葉もこの事の大事さを教えてくれています。

やはり、ひとは褒められると嬉しいものです。ですから、上に立つ人間は自分の現在のレベルで人を評価するのではなく、評価される人間の時代に自分が立ち戻ってどうであったかを考えると意外と褒めてあげるべき事が多い様に思います。ですから、人を使う立場の人間は絶えず、相手の時代に自分を戻してそれでどう評価するかを考えるべきです。そうすると、自ずから相手を褒める事が多くなります。また、何気なく褒めた事でも、相手にとっては一生心に残るものです。私自身の経験でもそれは言えます。他人を褒めて下さい。

 

 

 

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