消化管外科でのロボット支援手術
本邦では、2018年に胃癌および直腸癌(腫瘍を含む)の手術が保険の適用対象となりました。福島県立医科大学消化管外科でも、同年から胃癌や直腸癌の手術においてロボット支援手術を開始しています。その後、2年ごとの保険の改定に伴い、食道癌や結腸癌などへの手術適応範囲も拡大されており、現在では当科では保険適用されている消化管領域の全てのロボット支援手術が行える体制が整っています。
2018年の胃切除手術を皮切りに、消化管外科領域におけるロボット手術の総数は2025年1月現在、400例以上に達しています。
診療科での取り組み紹介ページ
- 食道癌
- https://www.gi-t-surg.com/consultation/41.html
- 胃癌
- https://www.gi-t-surg.com/consultation/47.html
- 大腸癌
- https://www.gi-t-surg.com/consultation/39.html
ロボット支援手術
外科医が操作する機器(ロボット)によって内視鏡手術を支援する手術のことです。熟練した外科医の技術と解剖学的な知識に加えて、ロボットの技術が組み合わさることで、精密かつ正確な手術が可能となり、以前は困難とされていた手術も実施できるようになっています。
サージョンコンソール
執刀医が操作し、その動作をペイシェントカートに伝えます。執刀医は3D影像を見ながら操作を行います。2D影像と異なり、奥行きを確認できるため正確な操作が可能となります。
ペイシェントカート
4本のロボットアームを持ち、サージョンコンソールからの入力を、Endo-wristと呼ばれる鉗子または3Dスコープに伝えます。Endo-wristは複数の種類があり、その場面場面に応じて適切なEndo-wristへの交換が可能です。
ビジョンカート
手術中の画面がモニターに映し出されます。執刀医、助手および手術室スタッフが同じ画像を共有することができ、ビジョンカートから執刀医へ指示を出したりすることもでき、外科医の教育にも役立ちます。
ロボット支援手術の進化
*内視鏡下手術の基盤となる鮮明な術野画像
助手(ひと)ではなく、ロボットが保持するぶれないカメラから送られてくる高解像度3D画像―正確な解剖認識を可能に。
*繊細な鉗子操作
- 手振れ防止
- 外科医の手の細かいブレを、ロボットが補正
- モーションスケール機能
- 外科医の手の振幅を縮小してロボットアームに伝える技術
- Endo-wristの多関節機能
- 外科医の関節の動きを超える可動域
お問い合わせ先
消化管外科学講座
URL:http://www.gi-t-surg.com/