身体的な苦痛を和らげる薬剤❝フェンタニル❞

自分は痛みなどに対するストレス耐性が低い(辛抱ができない)人間であると考えていましたが、生体肝移植術を受けた時には強い痛みを伴う場面がたくさんありました。ICUでは疼痛コントロール目的に“フェンタニル”という医療用麻薬が使用され、痛みによる苦痛が非常に軽減され、比較的平穏な術後状態を維持することができました(写真)。

フェンタニルによる疼痛緩和の体験談をネットで調べてみたところ、アメリカの若年者を中心とした過剰摂取や乱用で健康被害や死に至る人が急増しているニュースばかりが記述されており、自分の感想とのギャップに動揺を感じました。

これは個人的な見解になってしまうのですが、アメリカでは生きていくこと自体に苦痛や不安があり販売価格が安く容易に入手できる“フェンタニル”を一時的な解放を目的に使用し目的は達成されたが、使用量・回数が管理されず依存状態となってしまったのではないかと考えています。実際には、私も苦痛からの解放が目的でフェンタニルが使用され一時的に苦痛から解放され満足しましたが、使用量はコントロールされており、無事に社会復帰できました。自己評価では、依存や中毒などを認めていないと思っています。

使用目的が共通なのに、結果に大きな違いがあることにやるせない思いを感じてしまいましたが、医療においては必要な薬剤である事は間違いありません。

全身麻酔から覚醒した男性が病院のベッドでピースサインをしている様子。

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