リスクマネージメント
- 教授
- 長谷川 功紀
- はせがわ こうき
- 放射性薬剤学、組織化学、タンパク質科学、放射線科学
福島に来て3年目に突入しました。福島を含めた東北地方には多くの良い温泉があります。休みの日には温泉に行くのが私の中ではすっかり定着してきました。温泉宿でゆっくり過ごすのも良いものです。ただ温泉宿で気を付けなければならないこともあります。みんなが同じ浴衣を着ていた場合、自分の浴衣が入った籠が分からなくなることです。一度、間違って他人のパンツを履きかけたことがあります。未遂で終わったので良かったですが、せっかく温泉で温まったのに、肝を冷やす出来事でした。
医療においても患者さんの取り違えがたまに起こります。それは絶対に起こってはいけない事故です。そんなリスクを回避するために、今では医療行為を行う前に複数の医療者で患者さんの名前を確認することが一般的になっています。誰か一人が間違いを犯したとしてもそのミスが医療事故へつながらないように医療機関では組織的なシステムを構築しています。誰でもミスは起こします。大事なのはそのミスが大きな事故(リスク)につながらないように事前にシステムを構築しておくことです。そうすることをリスクマネージメントと言います。診療放射線科学科でも様々なリスクマネージメント法を医療安全管理学という学問で勉強します。今までに起こった医療事故を分析し、事故を防ぐための様々なリスクマネージメント法がすでに開発されています。患者さんに安心して医療行為を受けてもらうために学生は医療安全管理学を勉強しています。
ということで、温泉で他人のパンツを間違って履かないための私のリスクマネージメント法ですが、誰も履かないような派手なパンツを履くことにしています。