アメリカ留学を経験して

 日本臨床微生物学会より臨床検査技師の海外留学支援をいただき、令和7年2月から4月にかけてアメリカ合衆国ワシントンD.C.のMedStar Washington Hospital Centerに留学してきました。「臨床微生物検査の世界的な動向分析調査-国際的な人材育成を目指して-」を研究テーマに、アメリカの最先端の検査技術や医学研究などを学んできました。

 日米の臨床検査の違いとして、徹底的に効率化された検査室の構築やシステム化された教育手法などに驚かされましたが、私が最も驚いたのは、職員の意識の高さです。どの職員も「仕事大好き!早く一流になりたい!」と口をそろえて言い、認定資格取得や大学院進学を目指すなど向上心を持って仕事をしていました。これは意識が高い人が多いというよりも、理論化された組織マネジメント手法の賜物だと感じています。上司は組織目標を共有・浸透させるだけで具体的な指示は出しません。そのため、どのように行動するかは職員一人ひとりに委ねられます。結果、職員の実行力や決断力が鍛えられ、仕事に対する自主性ややりがいが引き出されることで自然と仕事が好きになっていくというわけです。アメリカではこのような理論化されたマネジメント手法を駆使しながら組織構築や人材育成を行っている点に非常に感銘を受けました。

 アメリカ留学を経験して改めて仕事を好きになることの大切さを実感しました。好きこそものの上手なれ、これこそが人材育成の真理なのかもしれません。私もアメリカ留学という貴重な経験を今後の学生教育に活かし、臨床検査にやりがいを持つ人材輩出に努めていきたいです。そのような若者が世界中で活躍する日が来ることを心から楽しみにしています。

アメリカ留学

メッセージ一覧

ページの先頭へ戻る