臨床検査技師の役割
- 准教授
- 菅野 光俊
- すがの みつとし
- 臨床化学、臨床検査学
臨床検査は生体内で起こる様々な変化を数値や形態の変化等として捉え、病気の診断や治療方針の決定、治療効果の判定を行うために有用な検査情報を提供するために行います。医師から依頼された検査を実施し、一番始めに検査結果を見るのが臨床検査技師です。数値データや形態の変化から異常(生体の変化)をみつけ医師に報告することが大切な役割です。異常をみつけるには正常を知らないといけません。正常をしっかり学ぶ、経験することが大切です。検査項目により生体内で変動しうる検査値は大きく異なります(数倍程度から数万倍以上)。分析前エラー(検体取り間違いや検体放置等)や分析エラー(サンプリングエラーや非特異反応等)により生体内では起こりえない異常な検査結果となる場合があります。検査項目についての理解が不足しているとその区別がつけられません。
また、数値・形態の変化から新たな病態を見出すことや、新知見を発見することも可能です。多くの検査データを見ることができる臨床検査技師がその役割を担う必要があります。