スイス科学誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」掲載(2019年7月28日)

Living in the Restoration Public Housing after the Great East Japan Earthquake Correlates with Lower Subjective Well-Being of Older Adults

東日本大震災後の復興公営住宅での生活は高齢者の主観的幸福感の低下と相関する

医療に従事する森山信彰氏のポートレート、スーツ姿で微笑む。

森山 信彰(もりやま・のぶあき)

医学部 公衆衛生学講座 学内講師

研究グループ

森山信彰、岩佐 一、坪倉正治、黒田佑次郎、安村誠司

概要

論文掲載雑誌:「International Journal of Environmental Research and Public Health」(2019.7.28)

東日本大震災にともなう避難は被災者の健康状態にさまざまな影響を及ぼす。発災から7年半以上(調査実施時点)が経過したが、多くの被災者が故郷を離れ、帰還することができず復興公営住宅に居住している。本研究では、東日本大震災後の福島県内に居住する高齢者における主観的幸福感の状況を示した。また、ソーシャル・キャピタル(人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高めることのできる社会的仕組みの特徴)に着目し、対象者の主観的幸福感とソーシャル・キャピタルの関連を検証した。

結果、復興公営住宅に居住する高齢者の主観的幸福感は低く、地域住民に対する信頼ができていないと主観的幸福感が低いという関連があった。

災害後、避難/転居を余儀なくされた高齢者に対しては中長期的な支援継続をすべきである。今後は被災者が地域住民に対する信頼を高められるような働きかけ(介入)を行うことで、幸福感の向上がもたらされるか検証する必要がある。

連絡先

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