英国雑誌「BMJ Open」掲載(2019年5月)

Factors associated with possession of accurate knowledge regarding occupational health management among operations leaders of radiation decontamination workers in Fukushima, Japan: a cross-sectional study.

福島県の除染作業指揮者における労働衛生管理知識の正確な保有に関連する要因:断面研究

福島県立医科大学の講師、日高友郎氏が書籍の前で微笑んでいる写真。

日高 友郎(ひだか・ともお)

医学部 衛生学・予防医学講座 講師

研究グループ

日高友郎・各務竹康・遠藤翔太・春日秀朗・増石有佑・熊谷智広・佐藤勢・佐々木拓真・福島哲仁

概要

論文掲載雑誌:「BMJ Open」(2019年5月)

震災から8年を経た現在、福島県では帰還困難区域でも放射性物質除染作業が開始されています。作業員の負傷や放射線被曝を予防し、安全・健康に働くことができるよう、責任者は労働衛生管理に関する知識を持って指導にあたることが、法令で求められています。

本研究では、現場での指導的な立場を担う「除染作業指揮者」を対象に、業務に係る労働衛生管理の知識保有状況を調査しました。その結果、除染作業に携わった経験がある場合のほうが、ない場合と比べて、「作業環境管理」(線量測定の方法や手続き)の知識が不正確であると判明しました。

言わば「経験者ほど危うい」という懸念すべき状況です。そのため、本研究の成果を労働衛生教育機関ならびに労働衛生行政へフィードバックし、現場の安全を向上するための働きかけも並行して行ってまいります。

なお本論文には、衛生学・予防医学講座のMD-PhD学生も共著者の一人として名を連ねています。学生が、最新の社会問題に対して社会医学的な視点から挑む経験を提供できた点で、医学教育上の意義も備えた研究プロジェクトとなりました。

連絡先

  • 公立大学法人福島県立医科大学 医学部 衛生学・予防医学講座
  • 電話:024-547-1174 (内線2201)
  • FAX:同上
  • 講座ホームページ: https://www.fmu.ac.jp/home/hygiene/index.html/
  • メールアドレス: hygi@fmu.ac.jp (スパムメール防止のため、一部全角表記しています)

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