英国雑誌「Development」 掲載 〔平成26年9月〕
NRP1-mediated Sema3A signals coordinate laminar formation in the developing chick optic tectum
セマフォリン3Aはニューロピリン1を介して発生中のニワトリ視蓋の層形成を調整する

渡邉 裕二(わたなべ・ゆうじ)
神経解剖・発生学講座 講師
概要
論文掲載雑誌: Development 9月号
本学神経解剖・発生学講座の渡邉裕二講師・八木沼洋行教授・佐久間千恵主任医療技師らの研究チームは、ニワトリの視蓋をモデルにして脳の層構造が形成される際の細胞移動の動態を可視化することに成功しました。その結果、特定の層を移動する細胞が綱渡りのように別の神経軸索をつたって移動していくことを発見しました。 さらに、移動細胞が神経細胞に分化する際には、受容体ニューロピリン1を発現するようになり、軸索誘導因子セマフォリン3Aにより反発されて特定の層に局在するようになることがわかりました。これらの知見は脳の層構築における細胞移動のしくみの一端を明らかにしたものであり、脳の層形成過程にはたらく分子機構の解明に役立ちます。
本研究の成果は、英国科学誌Development(9月号)に掲載されます。また細胞移動の様子を示す動画が同誌のホームページの“Featured movie”に紹介されます。 (http://dev.biologists.org) この研究の一部は、福島県立医科大学の平成26年度研究支援事業「育成研究」により支援を受けました。●研究課題名「細胞移動の制御による視蓋の多層構造の構築原理の解明」
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連絡先
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- 電話 024-547-1116 / FAX 024-549-8811
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