本院では厚生労働大臣の承認を受けた下記の先進医療を実施しています。

令和6年11月1日現在

先進医療A

1 タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養 1回につき  24,230円

(実施科:生殖医療センター)

 体外受精や顕微授精後の卵子を、タイムラプス装置搭載型培養器を用いて培養し、発育する受精卵を一定の時間間隔で撮影・観察して、移植胚の選択を行うものです。
 培養器に入れたままの状態で受精卵が観察できるので受精卵にストレスをあたえることがないこと、受精判定を詳細に検討することができること、よりよい質の受精卵を選択することができること、などにより妊娠率の向上が期待できます。

2 膜構造を用いた生理学的精子選択術

  1. 男性不妊症の場合  1回につき  36,020円
  2. 重症男性不妊症の場合   1回につき  44,660円

(実施科:生殖医療センター)

 受精が行われるためには、運動性が良好でDNAが壊れていたりしない健全な精子を選択することが重要であるとされており、従来の遠心分離を行わずに、スパームセパレーターという特殊な膜構造を用いて良好な精子のみを選別・回収するものです。精子に損傷を与えるとされる化学物質の発生を抑え、運動性の高い機能的な精子の抽出を行うことにより妊娠率の向上を期待して行われるものです。

3 子宮内膜刺激術  1回につき  19,940円

  (実施科:生殖医療センター)

 着床前後において、胚と子宮内膜は双方から信号を出し合っており、胚からの信号は胚培養液に含まれているという報告がなされていることから、胚移植を行う前に胚培養液の上清を子宮腔内に注入することにより、子宮内膜に刺激を与え、着床に適した環境を作り出そうというものです。これにより、妊娠率の向上が期待できます。

4 二段階胚移植術  1回につき  65,820円

  (実施科:生殖医療センター)

 着床前後において、胚と子宮内膜は双方から信号を出し合っており、胚からの信号によって着床に適した子宮内膜環境を作り出すことが報告されていることから、2回に分けて胚移植を行い、着床に適した環境を作り出し、着床を促すというものです。
 複数回の胚移植を行っても妊娠に至らなかった場合で、子宮内膜刺激術を受けたことがある方が対象となります。

先進医療B

1 術前のゲムシタビン静脈内投与及びナブーパクリタキセル静脈内投与の併用療法

1回につき  400円

(実施科:肝胆膵・移植外科)

現在、膵がんの術前化学療法には『ゲムシタビン』と『S-1』という2種類の薬を用いる方法(GS療法)が行われていますが、『ゲムシタビン』と『ナブパクリタキセル』を組み合わせた治療(GnP療法)はより優れた治療として有力視されています。当院では日本臨床腫瘍研究グループ主導のもとGnP療法がGS療法と比べて、安全性や治療効果の観点から、より良い治療なのかどうかを確かめるための臨床試験を行っております。

70歳以上79歳以下の切除可能な膵がんの患者さんは本試験に登録できる可能性があり、登録後はランダムにGS療法かGnP療法のどちらかの治療法が割り付けられ治療が開始されます。

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