留学生の声

東京大学医学部附属病院 冨田 湧介

福島県立医科大学循環器内科学講座の冨田湧介です。2026年4月より、東京大学医学部附属病院の心臓移植チームに国内留学しております。留学先である東京大学病院は、循環器内科の武田憲彦教授、心臓外科の小野稔教授(臓器移植医療センター長兼任)が率いる本邦有数の重症心不全・移植施設であり、脳死下心臓移植は本邦最多の実績(2024年28件・累計249例、うち小児20例)を有しております。2025年改正で新設されたStatus 1A基準下の心臓移植も、2026年4月に同院が全国で初めて実施いたしました。

私は高度心不全治療センターに配属となり、循環器内科の網谷英介先生(同センター長)、心臓外科の安藤政彦先生をはじめとする上級医のご指導のもと、補助人工心臓(VAD)と心臓移植診療に携わっております。着任早々の4月には、ハーベスト(ドナー心摘出)に帯同する機会を得ました。提供病院での最終心機能評価から、分単位で進行する心臓摘出・搬送・引き継ぎ、そして心拍再開までを目の当たりにし、移植医療のダイナミズムと、それを支える綿密な計画性を身をもって実感いたしました。

日々の診療では、精査入院から移植登録の検討、VAD導入・管理、心臓移植へと続く一連の流れを経験しております。移植後の免疫抑制療法調整や拒絶反応モニタリング、心筋生検・右心カテーテル検査にも携わり、VAD装着患者さんの管理においては、身体所見・画像所見にデバイスパラメータと右心カテーテル所見を統合した評価アプローチを学んでおります。VAD導入のインフォームド・コンセントでは、私自身が説明の中心を担う機会も与えられ、多様な患者背景に応じた治療選択と意思決定のタイミングについてご指導いただいております。

心不全チームには新潟から学びに来られている同年代の先生や大学院生もおり、日々症例を共有し切磋琢磨できる環境にも支えられております。順天堂大学・東京科学大学・日本医科大学など近隣大学との合同勉強会にも参加し、施設間連携のあり方を考える機会も得ております。

任期を終える頃には、ここで得た知見と判断軸を福島に持ち帰り、福島県立医科大学のVAD外来や移植後フォロー診療の充実に貢献したいと考えております。このような貴重な機会を与えてくださった竹石教授と医局の先生方、温かくご指導くださる東京大学心臓移植チームの先生方に心より御礼申し上げます。福島から支えてくれている家族にも深く感謝しております。本稿が、留学先での経験を医局の先生方と共有する報告となり、福島県における重症心不全・移植医療の一助となれば幸いです。

札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニック 片平 正隆

私は2026年4月より、札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニックに国内留学させて頂いています。

当院は年間PCI 2400件以上、循環器全体で4900件以上の侵襲的治療、心臓血管外科手術は1200件以上施行している、各分野にexpertのいる病院です。スタッフの先生方の実力は圧倒的で、complexな症例を最小限の道具で安全に、迅速に治療していく姿に日々感動しています。その先生方から、PCIはもちろんですがCAGからマンツーマンで指導頂いています。虚血はもちろんですが、元々勉強したかった集中治療の指導も受けられており、集中治療専門医取得も目指すこととしました。

研究に関しては、冠動脈の石灰化に関する解析を始め、韓国の研究チームと共同研究も開始することになりました。海外から国を代表して勉強しに来ている留学生がおり、また、海外の学会、ワークショップに招待される先生も多く、刺激になっています。朝病棟患者の方針を決め、日中はカテーテル検査・治療を行い、その合間やカテ後に解析、英語・集中治療の勉強をし、信じられないくらい忙しい生活を送っておりますが、とても充実しており、毎日成長している実感を得られています。

竹石先生はじめ、国内留学の相談に乗って頂いた先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。
自分の手で重症患者を救命できるような力をもっとつけられるように引き続き努力していきます。

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