作業療法×モノづくりのチカラ

 私は現在、電子工作や3Dプリンタを活用したモノづくりに関心を持っています。もともと福祉機器には興味がありましたが、大学生の頃まではモノづくり自体に特別な関心があったわけではありません。転機となったのは、就職先で神経難病を患う方々と多く関わらせていただいたことです。作業療法の支援方法の一つとして、その方の身体機能や生活環境に合わせて独自にスイッチや自助具を作製する中で、その支援道具の持つチカラに魅了されていきました。一つの道具でその方が「したいけど、できなかった」大切な作業を「できること」に変えられることがあります。指一本でもできることが広がるのです。

 ただし、対象者の状態を評価しながら、その方に最適な支援道具・環境を作ることは決して簡単ではありません。お一人おひとりに合わせた支援を実現するには、観察力、分析力、そして創意工夫が求められます。この先の誰かのための支援に向けて、学生らと一緒に様々な活動を行っています。障がい当事者の方々にもご協力いただき、作業療法におけるモノづくりの視点について学びを深めています。

 目の前の対象者に必要なモノを作り・届ける。これは作業療法の専門性であり、作業療法士にとっても大切な“作業”だと思っています。

 

※2025年9月6~7日、作業療法学科主催で、高校生・作業療法士を対象とした学科説明会を開催します(右)。

 

桜が満開の公園の風景。青空の下、散策する人々が見える。

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