3Dプリンターで魅せる作業療法

最近、作業療法学領域では3Dプリンターを使い、対象者に合わせた生活支援が行われています。本学作業療法学科でも3Dプリンターを導入し、学生の教育にも積極的に活かしています。

私もこれまで対象者の方と関わる中で、3Dプリンターを使い自助具を作製したことがあります。ある対象者の方は握力が弱く物を掴めない状態でしたが、自分のことは自分でやりたいと強い希望がありました。そこで早い時期から3Dプリンターを利用し、手の状態ややりたいことをご本人と確認しながら一緒に作製しました。その一つに、ペットボトルホルダーがあります(写真)。握力が弱くても落とさず、手の大きさにも合い出来るだけ軽量なものを作りました。これにより好きなタイミングで好きな物を自分で飲めるようになりました。

3Dプリンターで作製したモノは再現性はもちろん、ミリ単位で調整できるため、状態の変化に合わせ即座に対応できます。この欲しい時に欲しいモノをオーダーメイドできる最大のメリットは、そのモノによりやりたい活動ができ、好きなことに参加できることだと思います。そして、その先にある生活や想いを支えることが作業療法士の役目であり、作業療法の醍醐味でもあります。

今後、3Dプリンターは保健医療の分野でますます普及していくでしょう。対象者のニーズに応える、多くの人のオリジナリティに触れられると思うと今から楽しみで仕方ありません。

3Dプリンターで作製されたペットボトルホルダー。飲む動作を支援するための軽量で調整可能な自助具。

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