学びを支える大切さ

 今年の春に、保健科学部から初めての卒業生を送り出しました。半年が経ち、卒業生の皆さんは新たな場所でご活躍されていることと思います。

 

 時を同じくして、私にはもう一つの「卒業」がありました。

 

 多くの方々の支援により大学院まで学ぶことができた私は、学生時代から「社会人になったら誰かの学びを支えたい」と心に決めていました。そこで、社会人になったのを機に、紛争や災害の影響により学習継続が困難な地域に暮らす幼い女の子の支援を始め、現在までささやかではありますが続けてきました。

 

 そして今年の春、大人になった彼女が支援を卒業するとの知らせとともに、彼女から一通の別れの手紙が届きました。数学が好きな彼女は、看護師を目指して勉強を始めたそうです。夢に向かって歩み出した姿に、心から嬉しくなりました。

 

 私にできたことは本当に小さなことです。それでも彼女の夢を支える一助になれたのであれば、これほど嬉しいことはありません。きっとこれから彼女自身が多くの人を支える存在になっていくことでしょう。

 

 今年の春、新たに別の子どもの支援を始めました。本学では、私は学生の皆さんの学びを支える立場にあります。遠く離れた子どもたちも、この地で学ぶ学生たちも、学び続ける姿は変わらず意義深いものです。「学びの機会を守ること」と「学ぶ姿を見守り続けること」をこれからも大切にしていきたいと思います。

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