2014年1月29日

《講義》 妊産婦・出産に関する県民健康管理調査

講師:藤森 敬也(産科婦人科学講座)

医師が講演を行い、聴衆が話を聞いている会議室の様子。

震災前後の福島県内の分娩数、妊娠数、自然流産、中絶、早産、先天異常等のデータ推移および福島県内の産科医療の現状について解説

感想等(抜粋)

福島の母子関係のみに沿った情報ばかりで大変参考になった。福島に住む母親たちは市民の中でもかなり心配されてる人の多い層であって、そのような人たちにも新たに情報提供できる部分であった。また、元々産科医が少ないこの地域に、この震災で、本当に産科医たちの苦労がある中、県外から福島のためにとやってくるドクターもいると聞いて、本当にうれしく思う。住民が安心して暮らしていける環境を作ることが重要であると思う。

《講義》 こころの健康調査から見えてきたこと

講師:板垣 俊太郎(神経精神医学講座)

医療従事者がマイクを持ち、メンタルサポートについて説明している様子。背景には木製の壁が見える。

県民健康管理調査におけるメンタルサポートの解説に加え、こころの健康度・生活習慣に関する調査結果・福島のメンタルヘルスの現状を、症例提示を交えて解説

感想等(抜粋)

今までの世界の大震災、戦争の経験から人は、PTSDの問題を常に考えるようになりました。しかし福島では津波に加えて放射能汚染という目に見えない汚染が今も原発周辺で続いており、そのことは科学的データを示していくら安全と言っても、受け入れることのできない人のいること、そのことにより双極性障害の発症が増えたことが根の深い問題と改めて感じました。

《講義》 福島原発作業員の精神影響

講師:立花 正一(防衛医科大学校)

講演を行う男性がマイクを持ち、聴衆に向かって話している様子。背景には窓と緑の景色が見える。

災害支援者の心理的特徴(惨事ストレス)および福島原子力発電所の職員の心理調査の結果とメンタルヘルス支援活動の報告

感想等(抜粋)

風評被害、東電末端職員に対する誹謗、中傷は間違っていることを改めて再認識しました。個人的な意見ですが、原発処理は東電と切り離して復興庁などの国主導で行ってほしいです。そこに職員を移せば東電の名前が外れてすこしは風評被害も減ると考えました。

《講義》 福島医大からみた情報管理とマスメディア対応

講師:松井 史郎(放射線医学県民健康管理センター)

福島県立医科大学での講演中の男性がマイクを持ち、聴衆に向けて話している様子。

原発事故後に政府が国民に対してどのように情報を伝え、信頼を失っていったのかを事例として分析し、この2年間の県民健康管理センターでの活動を通じ、より良いリスクコミュニケーションの方法を考察

感想等(抜粋)

小手先の情報ではなく、住民の各人にとって本当に必要な情報をいかに伝えることができるのかについて、一つのヒントを頂きました。住民、患者さんと同じ方向を向いて傾聴する必要性について教えていただきました。特に医師の患者に対する姿勢について上から目線の姿勢をご指摘いただいたことは、自分も身につまされる思いです。

《講義》 リスク認知

講師:中谷内 一也(同志社大学)

一般大衆に対する統計情報の影響力、リスク認知のあり方等について社会心理学的実験の結果を交えて解説

福島県立医科大学で講演を行う男性がマイクを持って話している様子。
医療に関する講演を行う男性と、聴衆が集まる会議室の様子。

感想等(抜粋)

大変面白い内容であった。高い信頼を得られる要素の話や、価値を共有している人を信頼する、ということがベースにあるという話は日常に置き換えてもわかりやすかった。現在の、市民が思う国や市町村に対しての考え方の根本を、心理学的な側面から知ることができて興味深かった。後半のグループワークや、その後の講義ももっと詳しく知りたかったが、十分な時間がなかったのが大変残念であった。

《ワークショップ・討論》 リスク認知に関するWS・討論

リスク認知に関するワークショップで議論する参加者たちとプレゼンテーションを行う講師。

リスク認知の講義を受け、3グループに分かれて社会心理学的実験を含むワークショップを実施

感想等(抜粋)

信頼を得るためには、能力認知と動機づけ認知、価値共有認知のうち、価値共有が重要であり、かつ自発的運命共有化が大きく影響を及ぼすとされているとのことだった。非常に納得できる内容であり、この様な事を踏まえて住民対応や相談にあたる重要性を痛感した。この様な事項は我々医療職者があまり学んできていないことであり、今後の教育に取り入れる必要性を感じた。

《修了式》

修了証書授与:福島 哲仁

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