地域のみなさまへ

保健医療交流事業 (講演会) レポート

健康寿命を延ばすために 〜今から始める介護予防〜

大玉村・令和5年8月9日(水)

講演の様子1
講演の様子2

講演会は、令和5年8月9日(水)10時00分から、大玉村にある大玉村農村環境改善センターを会場に開催されました。講師は、保健科学部作業療法学科の曽根稔雅教授が務め、講演は「健康寿命を延ばすために 〜今から始める介護予防〜」をテーマに行われました。

初めに、「人生100年時代に向けて」ということで、長い人生を一人ひとりが多様なライフプランを描きながら、生きがいをもって暮らしていくことができる社会を実現することが健康寿命の延伸に繋がることを説明されました。健康寿命とは「からだもこころも健康な期間」、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
 福島県の健康寿命は全国の健康寿命とほぼ変わりありませんが、順位としては全国の中でも低い方とのことでした。(健康寿命の男性1位は大分県73.72歳、女性1位は三重県77.58歳)

次に、介護予防について説明され、介護予防とは「高齢者が要介護状態等となることの予防」、「要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止」であり、予防するポイントは「あ・い・う・え・お」との説明がありました。

○あ:あたまの元気度
 認知症とは記憶や判断力が低下して社会生活に支障をきたした状態であり、前段階の軽度認知障害を予防することがポイントである。
 「認知機能低下を予防するためにはどのような取り組みが効果的か?」とのことで、複合運動(身体活動+認知活動)が効果的と話され、参加者全員で複合運動を行った。(足踏みしながら頭の中で2ずつ足し算していく、足踏みしながら4の倍数、3の倍数で手を叩く)

○い:生きがい(社会参加)
 生きがいはポジティブな心理状態(幸福感、楽しみ・喜び、楽観主義)であることをさし、社会活動や人間関係を向上させるとのこと。生きがいが健康に好影響をもたらす。大玉村では「元気づくり大学」という事業で高齢者が家族や友人、他人と運動して関わり合える場があり、積極的に活用して他人と関わって欲しいと話された。

○う:運動(身体運動)
 65歳以上の人は、強度を問わず、毎日40分の身体活動を推奨。
 10分未満の日常生活活動(掃除や洗濯、買い物など)を含めた身体活動でも、積み重ねることで介護予防に有効であると話された。

○え:栄養(食事)
 高齢者は食事が摂れず、体重が減ってしまうことが要注意。定期的な体重測定により体重の変化に気を付けて欲しいと話された。
 また、口腔ケアも高齢者には大切であり、口の清掃(歯ブラシ、義歯の清掃)、口の運動をしっかり行って欲しいとのこと。(発音のトレーニングで早口言葉の練習を参加者全員で実施した。)

○お:大玉村
 家族だけでなく、大玉村の地域の人と生きがいを共有する。

最後に、大玉村の地域の方々が生きがいとなっている活動に積極的に参加することで生きがいをもてる大玉村を作ってください、介護予防のポイント「あ・い・う・え・お」だけでも今日は覚えて帰ってくださいと述べられ、御講演を終えられました。

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