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保健医療交流事業 (講演会) レポート

不安とせん妄、眠りと薬について

柳津町・令和元年12月11日(水)

講演の様子
講演の様子2

今年度6回目の講演会は、「不安とせん妄、眠りと薬について」をテーマにやないづふれあい館において開催されました。
 講師は、本学の神経精神医学講座教授の矢部博興先生が務められました。

まず、不安とせん妄は具体的にどういったものか、それに対して医学ではどのように対応しているかを御説明されました。
 10年ほど前までは不安に対して処方するのは抗不安薬、かつて精神安定剤といった薬を使用していたが、抗不安薬は依存性や離脱症状の問題が大きく、また、せん妄を誘発するためあまり推奨されなくなっており、現在は抗うつ薬を主に処方している場合が多いと話されました。
 次に眠りと薬について、先に話された抗不安薬とも共通するベンゾジアゼピン系睡眠薬の悪影響について話され、近年開発された画期的な薬剤により、医師が処方する薬が変化してきていることについて説明されました。
 1つは人間の体内時計を司るメラトニンの作用により入眠しやすくするロゼレムという薬、もう一つは眠り病であるナルコレプシーの作用機序を逆に利用したベルソムラという薬で、いずれも服用しても自然な眠りとなり、依存性や離脱症状がない利点があると話されました。

最後に総括として、ベンゾジアゼピン系睡眠薬もやむを得ず必要となる場合もあって、今日紹介した薬のみで治療することが絶対に良いわけでもなく、必要なことは症状と状態を医師とよく相談して薬を使用していくことが重要だと話されました。
 参加者は様々な薬があることについて興味深く話を聞いている様子が印象的でした。

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