学生・教職員の方へ

令和3年 理事長 新年あいさつ(2021年1月4日)

皆さん、あけましておめでとうございます。2021年の仕事始めにあたり、ひとことご挨拶申し上げます。
 今年は震災と原発事故から10年という大きな節目の年です。震災以来、私たちは「想定外」という事態を数多く経験しました。従来では想像もつかなかった大規模な災害や、新型コロナウイルス感染症に代表される未知の疾患、大規模な環境破壊など、多くのことが想定外といわれてきました。誰にも未来の事は分かりませんから、想定外であることは否定しません。
 しかし、私たちは未来を変えることのできる可能性があります。だからこそ人類は過去と現在について学び考えることで、少しでも正確に未来を予測し、行動し、プラスならば最大限に、マイナスならば最小限にする努力を重ねてきたのです。

今、何かにつけて想定外というとき、私たちは将来を見通すために考えることを尽くしていたでしょうか。私たちは洞察力を磨くことを怠ってはいなかったでしょうか。大学運営も同じです。
 私は1年前のこの場で「変化を進化へ」というメッセージを示しました。大学を取り巻く環境の変化は速く、その変化に適応しなければ、大学の生き残りそのものが危うくなるという危機感があったからです。

しかし、変化に適応しようにも、その変化が私たちの想定外であっては、適応することはより難しく、まして進化に変えるなど望むべくもありません。
 そして、変化が速いということは、過去に導いた答えが、今、通用するわけではないということでもあります。つまり、私たちには常に考えを尽くすこと、洞察力を磨くことしか、変化を進化に変える手立てはないのです。裏返して言えば、思考停止はあってはなりません。過去を検証し、現状に最適な答えを導くため、考え続けることが私たちの宿命です。

震災から10年を経て「復興」という言葉の力は弱くなっていくものと思われます。私たちは、復興と同時に、その先に目指す新しい福島と本学の姿を積極的に発信していかなければなりません。
10年という節目はそういう新しいフェーズへの転換という厳しい現実を私たちに突きつける節目でもあります。深い洞察力によって、これからの10年をどう進化するのか、どのようなビジョンを描くのかが私たち一人一人に問われます。復興の上に何を築いていくことが福島と本学に求められるのか、そのことを強く意識した1年にしてください。皆さんの一層の活躍を期待しています。 令和3年1月4日
福島県立医科大学理事長兼学長
竹之下 誠一

事務担当 : 総務課 (大学管理係)

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