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福島県立医科大学 トピックス

呼吸器外科領域では東北初となる、手術支援ロボットを用いた縦隔腫瘍手術を施行

平成31年1月30日(水)に本学附属病院 呼吸器外科において呼吸器外科領域では東北初となる、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」(※1)を用いた縦隔腫瘍(※2)手術を施行しました。


実際の手術風景(ロボットアーム)

本手術は、呼吸器外科領域で日常的に施行されている内視鏡手術と同様に、数か所の創部から手術を行います。しかし、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を用いることで、より緻密で正確な手術が可能になり、従来の手術と比較して術中の出血量の減少、術後の早期回復、機能温存、入院期間の短縮といった患者さんへの負担の軽減、安全性の向上が期待されています。


左)執刀した呼吸器外科 鈴木弘行教授

当科のダ・ヴィンチ手術実施の準備は、平成26年の秋から始まり、医師のダ・ヴィンチ手術術者資格(certificate of davinci console surgeon)の取得、本学附属病院の技術審査、承認や手術実施の認可を経て、このほど、平成31年1月30日に、日本の呼吸器外科領域におけるダ・ヴィンチ手術の第一人者である鳥取大学胸部外科 中村廣繁教授の御指導の下、福島市在住の40歳代男性の前縦隔腫瘍の患者さんに施行しました。この手術は、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を用いた呼吸器外科領域の手術として、東北で第1例目となりました。


実際の手術風景(コンソール)

実際の手術風景(終了図)

患者さんの術後経過は良好で、術後5日目に退院となりました。呼吸器外科領域におけるダ・ヴィンチ手術の保険適用は、原発性肺癌及び縦隔腫瘍となっており、当院では今後も手術症例を重ね、より安全で低侵襲の手術を目指してまいります。

※1 手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」

この手術支援ロボットは、元々、NASA(アメリカ航空宇宙局)が宇宙探索での遠隔操作を目的に研究・開発した技術を、戦場における遠隔操作手術への応用を目指し、さらなる研究・開発をすすめ、現代の医療に導入されたものです。  大きな特徴は、映像と執刀医の手の代わりとなるロボットアームにあります。執刀医はコンソールといわれる患者さんから離れた操作機器の中で、精細に拡大された3Dモニターを見ながら、手元のコントローラーでロボットアームを操作します。執刀医の手・指の代わりとなるロボットアームは小さな関節を持ち、前後左右に540度動くことで、人間の手よりも自由度が高く精密な動きを可能とします。そのため従来の手術と比較して手術操作の自由度が高くなり、手ブレなどもなく、より緻密で正確な手術を行うことを可能とします。
本学附属病院では平成25年2月に「ダ・ヴィンチSi」を東日本では初めて導入し、泌尿器科において前立腺全摘術等に用いてまいりました。また、平成30年12月18日(火)に、消化管外科において本学初となる「ダ・ヴィンチ Si」を用いた胃がんの手術を実施しました。

※2 縦隔腫瘍

縦隔とは左右の肺の間に位置する部分のことを指しており、心臓、大血管、気管、食道、胸腺などの臓器があります。縦隔腫瘍とは、これらの縦隔内臓器に発生した腫瘍の総称です。(一般社団法人日本呼吸器学会ホームページ より)

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