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福島県立医科大学 トピックス

TRセンターが新型コロナウイルス感染症の抗体医薬品研究について
メディア向け説明会を開催

医療-産業トランスレーショナルリサーチセンター(TRセンター)が、現在進めている、新型コロナウイルス感染症の抗体医薬品の研究について、9月7日(月)にメディア向けの説明会を開催しました。説明会には、震災復興支援に尽力され本研究のサポートを表明していただいている、本県選出の衆議院議員で文部科学副大臣兼内閣府副大臣の亀岡偉民氏をお迎えし、竹之下誠一理事長も参加して行われました。TRセンター高木基樹教授の説明に対しては高い関心が寄せられ、切れ目なく活発な質疑応答が行われました。

TRセンターでは、今年2月より、新型コロナウイルス感染症の治療薬、予防薬、検査薬等の開発に有用な抗体およびその取得法の研究を進めてきました。そして、新型コロナウイルス感染症回復者の血液から新型コロナウイルスに対する中和活性(ウイルスの感染を防ぐ能力)を持つ抗体(中和抗体)とその抗体を生み出す遺伝子を取得した上で大量生産することで、この感染症の予防薬や治療薬の開発へとつなげる道筋が見えてきたことから、このたび説明会を開催したものです。

なお、この研究は2012年より始まった経済産業省が支援する震災復興プロジェクトによって得られた成果が活用された点でも注目されます。その成果とは、「タンパク質マイクロアレイ解析システム」であり、TRセンターが持つ世界で唯一のシステムです。1枚のマイクロアレイに、抗原となるタンパク質や病原体など4,000種類程度が搭載されており、1回の解析で4,000種の抗原に対する抗体の結合が検出可能となります。ここに新型コロナウイルス(不活化したもの)の抗原を搭載することで、このウイルスの抗体を持つ人を見つけ、抗体遺伝子の取得に適した抗体産生細胞の発見につながることが期待されています。また、この抗体はヒト由来であることから、安全に対する信頼度が高いことも、注目のポイントとなっています。

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