英国雑誌「Oral Diseases」掲載(2026年7月)
Universal Coverage Does Not Guarantee Equitable Perioperative Oral Care
皆保険制度は周術期口腔ケアの公平な提供を保証しない
齋藤 治輝(さいとう・はるき)
疫学講座 MD-PhD生
研究グループ
齋藤治輝、大平哲也(福島県立医科大学医学部疫学講座)
概要
論文掲載雑誌:「Oral Diseases」 (2026年7月)
日本では2012年より、手術・化学療法・放射線療法を受ける患者に対する周術期口腔機能管理(POFM)が保険診療として全国一律に給付されています。しかし、その実施が全国一律であるかどうかは明らかではありませんでした。そこで、筆者らは、厚生労働省が公開するNDBオープンデータ(都道府県別レセプト集計)を用いた探索的エコロジカル分析から、POFMの実施件数に大きな地域格差が存在することを確認しました。さらに、その格差は手術件数(需要の代理指標)よりも、歯科医師数(歯科医療提供体制)との関連が強い傾向がみられました。
これらの知見は、皆保険制度が形式的な受給資格を創出する一方で、実際のサービス利用は地域の提供体制に大きく依存する可能性を示すものです。本論説では、診療報酬上の給付設計だけでなく、歯科医師の育成・配置や病院歯科との連携強化といった提供体制整備の重要性を提言しました。
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