英国雑誌「The Lancet Oncology」掲載(2025年5月)

Association between risk-reducing surgeries and survival in young BRCA carriers with breast cancer: an international cohort study

若年のBRCA遺伝子変異保有乳癌患者におけるリスク低減手術と生存率との関連:国際コホート研究

岡野 舞子 (おかの・まいこ)

乳腺外科学講座 講師

研究グループ

研究者:乳腺外科 岡野舞子・大竹徹、腫瘍内科 佐治重衡 
研究代表者:Matteo Lambertini
研究グループ:BRCA BCY Collaborationに参加する5大陸109施

概要

論文掲載雑誌:「The Lancet Oncology」(2025年5月7日)

これまで、乳癌の既往歴を有する若年のBRCA遺伝子変異保有者におけるリスク低減手術の効果に関するエビデンスはなかった。本研究では、乳癌既往歴のある若年BRCAキャリアにおいて、リスク低減乳房切除術(RRM)またはリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)、あるいはその両方の手術と生存転帰との関連を、大規模な国際コホートで検討した。

BRCA BCY Collaborationは、国際的な後ろ向きコホート研究であり、5大陸109施設が参加している。2000年1月1日から2020年12月31日までに、40歳以下で浸潤性乳癌と診断され、BRCA1またはBRCA2(あるいは両方)の病的変異を有する女性が対象で、合計5,290名の患者が組み入れられた。日本からは本学附属病院と郡山市の星総合病院からの患者26名の情報が登録された。本研究の結果、若年で乳癌の診断を受けたBRCAキャリアにおいて、RRMおよびRRSOはともに全生存率を有意に改善した。今後、高リスクの患者さんの意思決定に重要な影響を与える結果となった。(岡野 舞子)

 

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