英国雑誌「Cell Communication and Signaling」掲載(2024年12月5日)

Extrajunctional CLDN10 cooperates with LAT1 and accelerates clear cell renal cell carcinoma progression

CLDN10-LAT1シグナルは淡明細胞型腎細胞癌の悪性形質を増強する

小名木彰史助手の公式プロフィール写真。ビジネススーツを着用し、真剣な表情でカメラを見つめている。

小名木 彰史(おなぎ・あきふみ)

泌尿器科学講座 助手

研究グループ

福島県立医科大学泌尿器科学講座 小名木 彰史福島県立医科大学基礎病理学講座 杉本 幸太郎福島県立医科大学基礎病理学講座 小林 信福島県立医科大学基礎病理学講座 佐藤 友美福島県立医科大学病理病態診断学講座 小林 靖幸福島県立医科大学泌尿器科学講座 八木沼 恵福島県立医科大学泌尿器科学講座 目黒 了福島県立医科大学泌尿器科学講座 星 誠二福島県立医科大学泌尿器科学講座 秦 淳也福島県立医科大学病理病態診断学講座 橋本 優子福島県立医科大学泌尿器科学講座 小島 祥敬福島県立医科大学基礎病理学講座 千葉 英樹

概要

論文掲載雑誌:「Cell Communication and Signaling」 (2024年12月5日)

本研究では、腎がんにおいて、細胞接着分子クローディン10(CLDN10)は予後予測因子であり、がん悪性形質促進に寄与していることを明らかにしました。従来、腎がんの予後予測因子としてのCLDN10の重要性が示唆されていましたが、タンパク質レベルでの解析や機能的役割の解明は進んでいませんでした。

我々は、CLDN10を特異的に認識するモノクローナル抗体を新たに開発し、腎がん患者由来の手術材料を用いて解析した結果、CLDN10の高発現が予後不良と関連することを明らかにしました。さらに、CLDN10過剰発現腎がん細胞株の解析から、CLDN10ががん細胞の増殖や浸潤を促進し、悪性形質を増強することがわかりました。CLDN10はアミノ酸トランスポーターLAT1と結合し、アミノ酸取り込みを制御することで腫瘍形成を助長する機構も解明されました。

本研究の成果は、CLDN10が新たな予後予測マーカーおよび治療標的としての可能性を示しており、今後の臨床応用や新規治療法の開発に貢献することが期待されます。(小名木 彰史)

連絡先

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