米国雑誌「JBJS Open Access」掲載(令和6年8月24日)

Predicting the Occurrence of New Vertebral Fractures Using the Vertebral Bone Quality Score

椎体骨質スコアを用いた新規椎体骨折発生予測について

横田 武尊(よこた・たける)

整形外科学講座

研究グループ

横田武尊、大谷晃司、関口美穂、松本嘉寛

概要

論文掲載雑誌:「JBJS Open Access」 (August 26, 2024)

福島県立医科大学整形外科学講座が発表した研究は、MRIを用いて将来の脊椎骨折リスクを予測する新しいモデルの開発に関するものです。このモデルは、福島県南会津地域で行われた長期的な疫学調査データに基づいており、骨密度ではなく骨質に注目して骨折リスクを評価する点で、従来の方法とは異なる新たな進展を示しています。このたびJBJS Open Access誌に掲載されました。JBJSは100年以上の歴史がある最も著名な整形外科雑誌として知られています。

この研究では、MRIによって評価されるVertebral Bone Quality (VBQ) スコアという指標を使用し、年齢、性別、過去の椎体骨折歴といった要素と組み合わせて、将来約10年以内に発生する脊椎骨折のリスクを予測するモデルを構築しました。従来の骨密度測定に頼らず、MRIから得られる情報のみでリスクを計算できるため、特別な追加検査が不要で、実用性が高いと期待されています。

このモデルは、骨粗鬆症の早期発見や予防において新たな可能性をもたらし、地域医療においても活用が期待されています。今後、さらなる検証が行われれば、このモデルの精度や信頼性がさらに向上する見込みです。(横田武尊)

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