スイス科学誌「International Journal of Molecular Sciences」掲載(令和4年8月20日)
Monitoring of Current Cancer Therapy by Positron Emission Tomography and Possible Role of Radiomics Assessment
ポジトロンCTによる新規がん治療のモニタリングとラジオミクスによる評価

織内 昇(おりうち・のぼる)
先端臨床研究センター 教授
研究グループ
Noboru Oriuchi, Hideki Endoh, Kyoichi Kaira
概要
論文掲載雑誌:「International Journal of Molecular Sciences」 (令和4年8月20日)
がんの病態解明に伴い様々な治療薬が開発され、治療薬の作用機序や治療に対する反応に応じた治療効果のモニタリングが必要となっている。画像による治療効果のモニタリングは従来から広く行われているが、免疫チェックポイント阻害剤による治療後には、治療後早期に腫瘍が増大したり、FDG-PETで代謝が亢進したりするなど、従来の治療とは異なる反応を示すことが知られている。これらは腫瘍の微小環境における腫瘍細胞や免疫細胞の挙動によるものであり、正確な病態評価に基づくモニタリングが必要とされる所以である。
近年の人工知能の発達は画像診断にも応用され、機械学習によるRadiomicsやRadiogenomicsとして治療のモニタリングヘの応用が期待されている。PETはトレーサーの腫瘍集積に応じた代謝など細胞特有の情報を利用できるため、機械学習により複雑な病態に対応したImaging signatureを抽出した病態把握が可能と考えられる。今後の核医学治療とPET画像のRadiomicsによるモニタリングの可能性を論じた論文である。
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