英国科学誌「Oncogenesis」掲載(令和3年11月19日)

Clathrin adapters AP-1 and GGA2 support expression of epidermal growth factor receptor for cell growth

クラスリンアダプターAP-1とGGA2はEGFR発現を安定化し細胞増殖を促進する

福島県立医科大学の准教授、植村武文氏がスーツ姿で微笑んでいるポートレート。

植村 武文(うえむら・たけふみ)

福島県立医科大学 医学部 解剖・組織学講座 准教授

和栗聡教授がスーツを着て微笑んでいるポートレート。背景は青色のグラデーション。

和栗 聡(わぐり・さとし)

福島県立医科大学 医学部 解剖・組織学講座 教授

研究グループ

植村 武文1、鈴木 健裕2、堂前 直2、和栗 聡11 福島県立医科大学 医学部 解剖・組織学講座2 理化学研究所 環境資源科学研究センター 生命分子解析ユニット

概要

論文掲載雑誌「Oncogenesis」(令和3年11月19日)

本学医学部 解剖・組織学講座の植村武文准教授と和栗聡教授は、細胞内の物流システムの中継点に相当するゴルジ体やエンドソーム、および細胞膜の間の、小胞を介したタンパク質輸送に注目し、約10年の歳月をかけて研究を続けてきました。その過程で、AP-1複合体(エイピーワン)という細胞質因子がEGFRの量を調節することを見出しました。同グループは3年前にもGGA2(ギガツー)という細胞質因子がEGFR量を調節することを報告していました※。

本研究では、

(1) AP-1がEGFRと結合すること

(2) AP-1の量が低下すると、EGFRがリソソームという分解を専門に行う場所に運ばれて分解され、その量が低下してがん細胞の増殖が抑えられること

(3) AP-1・GGA2がリサイクル専門のエンドソームでEGFRを認識すること

(4) 肺がん、肝細胞がん、大腸がんの一部でエンドソームに発現するAP-1の量が多いことが分かり、このメカニズムががんの病態に関連することが分かりました。

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