米国雑誌「Frontiers in Cardiovascular Medicine」掲載(令和3年3月29日)

Cardio-Ankle Vascular Index reflects impaired exercise capacity and predicts adverse prognosis in patients with heart failure

Cardio-Ankle Vascular Indexは心不全患者の運動耐容能低下と予後に関連する

医療白衣を着た男性が青い背景の前で微笑んでいる写真。

渡邊 孝一郎(わたなべ・こういちろう)

医学部 循環器内科学講座 大学院生

研究グループ

渡邊 孝一郎、義久 精臣、佐藤 悠、寶槻 優、安齋 文弥、一條 靖洋、君島 勇輔、横川 哲朗、三阪 智史、佐藤 崇匡、金城 貴士、及川 雅啓、小林 淳、竹石 恭知

概要

論文掲載雑誌:「Frontiers in Cardiovascular Medicine」 (令和3年3月29日)

心不全患者における運動耐容能の低下は不良な予後と関連します。Cardiopulmonary exercise testing (CPX)は運動耐容能を評価する標準的検査であり、心臓リハビリテーションや予後予測に重要です。一方、Cardio-ankle vascular index (CAVI)は動脈硬化の程度を評価し、高いCAVIは冠疾患患者の心血管イベントを予測すると報告されています。しかしながら、心不全患者におけるCAVIの臨床的意義は明らかではありませんでした。本研究では、心不全患者におけるCAVIと運動耐容能の関係および予後予測能について検討しました。

CPXとCAVIを実施した心不全入院患者223名を対象としました。Receiver operating characteristic curve解析では、CPXで測定したpeak VO 2 14 mL/kg/min以下(運動耐容能低下)に関するCAVIのカットオフ値は8.9でした。多変量Logistic回帰分析では、CAVI高値(CAVI≧8.9)はpeak VO 2 低値の独立した予測因子でした (オッズ比 2.343, P = 0.045)。Kaplan-Meier 解析では、CAVI高値群では退院後の心イベント発生が有意に高率でした。多変量Cox比例ハザード解析では、CAVIは退院後の心イベントに関する独立した予測因子でした(ハザード比 1.845, P = 0.035)。

CAVI高値は心不全患者の運動耐容能低下と関係し、心イベント発生を予測しうる事が示唆されました。

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