ドイツ国雑誌「Experimental Dermatology 」掲載(2021年1月号)

Antifibrogenic effects of C-C chemokine receptor type 2 antagonist in a bleomycin-induced scleroderma model

ブレオマイシン誘導強皮症モデルにおけるCCR2アンタゴニストの抗線維化効果の検討

医療従事者の男性が白衣を着て、青い背景の前で真剣な表情をしている写真。

石川 真郷(いしかわ・まさと)

医学部 皮膚科学講座 助教

研究グループ

石川真郷、山本俊幸

概要

論文掲載雑誌:「Experimental Dermatology 」 (2021年1月号)

全身性強皮症は有効な治療が乏しい難治性疾患であるが、CCケモカイン受容体2(CCR2)を介したシグナル伝達経路遮断が治療標的として期待されてきた。我々は、ブレオマイシン誘導強皮症モデルマウスを用いて、CCR2アンタゴニスト(RS-504393)の有効性を検討した。

マウス皮膚を病理組織学的に検討した結果、RS-504393が投与された群では誘導される真皮の線維化は抑制され、肥満細胞数および筋線維芽細胞数は減少した。また、皮膚のコラーゲン量は減少し、皮膚のTGF-β1およびコラーゲンIα1のmRNAの発現レベルも低下した。マウス肺を病理組織学的に検討した結果、RS-504393投与群では、間質の線維化は抑制されていた。また、含有コラーゲン量も減少した。これらのデータは、CCR2アンタゴニストであるRS-504393が、ヒトの全身性強皮症の治療薬となる可能性を示唆している。

連絡先

ページの先頭へ戻る