スイス雑誌「Cancers」掲載(2020年9月25日オンライン)

Prognostic Significance of Aberrant Claudin-6 Expression in Endometrial Cancer

クローディン-6高発現は子宮体がんの予後不良因子である

杉本幸太郎講師のポートレート。白いシャツを着て眼鏡をかけた男性の顔が写っている。

杉本 幸太郎(すぎもと・こうたろう)

医学部 基礎病理学講座 講師

医療白衣を着た男性が、緑の木々を背景に微笑んでいる写真。

小島 学(こじま・まなぶ)

医学部 基礎病理学講座 博士研究員(竹田綜合病院産婦人科)

研究グループ

産婦人科学講座:博士研究員・小島学(こじままなぶ)、教授・藤森敬也(ふじもりけいや)基礎病理学講座:講師・杉本幸太郎(すぎもとこうたろう)、教授・千葉英樹(ちばひでき)

概要

論文掲載雑誌:「Cancers」 (2020年9月25日オンライン)

子宮体がんは5年生存率が80%以上と悪性腫瘍の中では比較的予後良好ですが、再発例や手術不能例に対する治療は限られており、新規治療法や予後不良例を選別する分子マーカーの開発が望まれています。本研究グループは、子宮体がんで手術を受けた患者さんの病理標本を用いて細胞間接着分子クローディン-6の発現を調べ、生存期間や進行期などと比較しました。その結果クローディン-6の発現量が少ない群の5年生存率が約90%であったのに対し、多い群では5年生存率が約30%と明らかに予後不良でした。これは手術や検査で得られた検体でクローディン-6の発現量を調べることで、患者さんの生命予後や再発率を予測できること、すなわちクローディン-6が子宮体がんの予後予測マーカーとして有用であることを意味しています。本研究の内容は子宮体がんの新規バイオマーカーとして特許出願しており、また企業と連携して血清を用いた早期診断法の開発も進めています。

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