米国雑誌「Arthritis Research & Therapy」掲載(2019年10月24日オンライン)

Hydroxychloroquine inhibits IL-1β production from amyloid-stimulated human neutrophils

ヒト自然免疫系細胞においてヒドロキシクロロキンはインフラマソームを介したIL-1βの産生を抑制する

福島県立医科大学の藤田雄也助手のポートレート写真。スーツ姿で青い背景の前に立っている。

藤田 雄也(ふじた・ゆうや)

医学部 リウマチ膠原病内科学講座 助手

研究グループ

藤田雄也、松岡直紀、古谷牧子、浅野智之、佐藤秀三、小林浩子、渡辺浩志、鈴木英二、浦野健、小鶴秀子、八橋弘、古賀智裕、川上純、右田清志

概要

論文掲載雑誌「Arthritis Research & Therapy」 (2019 Oct 24)

ヒドロキシクロロキンは日本では全身性エリテマトーデス(SLE)、海外ではSLEに加えて関節リウマチなどの疾患で有効性が示されています。しかし、作用機序について、特に自然免疫(自己炎症)にどのように作用するのかは不明な点が多い薬剤です。また、アミロイド蛋白は好中球などの自然免疫細胞を活性化し、インフラマソームを介したIL-1βの産生を促進することが知られています。そこで、ヒドロキシクロロキンの血清アミロイドA刺激によるインフラマソームの活性化や炎症性サイトカインの産生に対する影響を検討しました。

その結果、ヒドロキシクロロキンは血清アミロイドAにより誘導されるIL-1βの産生を阻害しましたが、IL-1β産生の上流にあたるpro-IL-1β mRNAやNLRP3蛋白の発現には影響しないことを明らかにしました。これらの結果は、ヒドロキシクロロキンは炎症性サイトカインであるIL-1βに関わる遺伝子の転写やインフラマソームのプライミングに作用するのではなく、インフラマソームの活性化プロセスに影響していることを示唆しています。

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