米国科学誌「Cell Reports」 掲載 〔平成30年2月〕
Action selection and flexible switching controlled by the intralaminar thalamic neurons.
視床髄板内核ニューロンによる行動選択および行動柔軟性の制御

小林 和人(こばやし・かずと)
医学部附属生体情報伝達研究所 生体機能研究部門 教授

加藤 成樹(かとう・しげき)
医学部附属生体情報伝達研究所 生体機能研究部門 講師
研究グループ
加藤成樹、深堀良二、西澤佳代、岡田佳奈、吉岡望、菅原正晃、前島裕子、下村健寿、岡本正博、永福智志、小林和人
概要
論文掲載雑誌:「Cell Reports」〔アメリカ〕(2018 Feb.27~学習や経験に伴う行動の選択と切り替えを担う脳の仕組みに関する新発見~本学生体機能研究部門の加藤成樹講師、小林和人教授、システム神経科学講座の永福智志教授、薬理学講座の下村健寿教授らの研究チームの論文が米国科学誌Cell Reports(2018年2月27日号)に掲載されました。 【研究成果】
- 脳における視床(髄板内核)から線条体への神経伝達の働きは、学習や経験に基づく選択行動とその切り替えの柔軟性をコントロールしていることを発見した。
- 視床(髄板内核)は、パーキンソン病等の脳神経疾患で変性することが知られており、疾患の発症や病態機序の解明および治療薬の開発に結び付くものと期待される。
動物は状況に応じて適切な行動を選択し、様々な環境の変化に対して迅速に行動を切り替える。これらの行動は、多くの脳領域を結び付ける複雑な神経ネットワークの相互作用が大切である。 脳内の視床(髄板内核)は、これまで主に痛覚を媒介し、感覚機能の制御に関わると考えられていたが、その役割はよく理解されていなかった。我々の研究グループは、特定の神経回路の機能を操作する技術を利用して、視床(髄板内核)から線条体へ連絡する経路は、学習や経験に基づく選択行動とその切り替えの柔軟性をコントロールしていることを発見した。 視床(髄板内核)は、パーキンソン病等の脳神経疾患で変性することが知られており、疾患の発症や病態機序の解明および治療薬の開発に結び付くものと期待される。
( 加藤成樹、小林和人 )
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連絡先
- 公立大学法人福島県立医科大学 医学部附属生体情報伝達研究所
- 生体機能研究部門 教授 小林和人、講師 加藤成樹
- 電話 024-547-1667 / FAX 024-548-3936
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