日本東洋医学会奨励賞(2025年6月受賞)

COPD患者の運動耐用能に対する鍼治療効果は呼吸困難と下肢疲労感の改善によって媒介される:ランダム化比較試験データを用いた因果媒介分析

加用 拓己(かよう・たくみ)

会津医療センター附属研究所漢方医学研究室 助手

研究グループ

加用拓己、鈴木雅雄、三潴忠道、福田文彦

 

今回の受賞について

【日本東洋医学会】

漢方薬や鍼灸など東洋医学に関する研究発表を通じて、東洋医学の進歩と普及、学術文化の発展に寄与することを目的とした学術団体である。

【賞について】

東洋医学の発展に貢献する優れた研究や発表を行った会員を表彰する賞である。

概要

本研究では、近年発展した解析手法である因果媒介分析をプラセボ対照ランダム化比較試験データに適用して、鍼治療による慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の運動耐容能改善効果が、下肢疲労感と呼吸困難の軽減によってどの程度媒介されるかを検討した。

研究の結果、鍼治療による運動耐容能の改善は下肢疲労感によって約4割、呼吸困難によって約9割、両方の共同効果により約10割が媒介されることが明らかとなった。また、本研究は因果媒介分析を鍼治療に適用した国内外初の試みであり、東洋医学のメカニズム理解に新たな知見を提供する可能性がある。(加用 拓己)

 

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学会津医療センター附属研究所漢方医学研究室
電話:024-275-2100(代)

FAX:024-275-2568
講座ホームページ:https://www.fmu.ac.jp/amc/laboratory/acupuncture.html

メールアドレス:k-takumi@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記にしています)

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