The 26th Congress of the Asian Pacific Society of Respirology Assembly Educational Award(令和4年11月受賞)

Importance of clinical history of antigen exposure and anti-Trichosporon asahii antibody evaluation for diagnosis of summer-type hypersensitivity pneumonitis in patients with chronic interstitial lung diseases

慢性間質性肺炎患者での夏型過敏性肺炎診断における抗トリコスポロンアサヒ抗体と抗原曝露歴の重要性

医療白衣を着た男性が、背景のレンガ壁の前で真剣な表情を浮かべている。

河俣 貴也(かわまた・たかや)

医学部 呼吸器内科学講座 助手

研究グループ

河俣貴也、谷野功典、渡邉菜摘、東川隆一、佐藤佑樹、二階堂雄文、福原奈緒子、王新涛、柴田陽光

今回の受賞について

Asian Pacific Society of Respirology

呼吸器感染症やCOPD、肺癌、間質性肺疾患などの呼吸器疾患を研究し、その進歩・普及を図る目的で組織され、アジアおよびオーストラリアなどを含む環太平洋地域の呼吸器領域の学会です。本学会は、呼吸器疾患研究のさらなる進歩のために年1回国際学会を開催しています。

Assembly Educational Award賞について

Assembly Educational Awardとは、応募した演題の中から選考委員の審査によってされます。受賞者は現地でのassembly meetingで口頭発表を行い、講評を受けます。今回は間質性肺炎の部門で受賞しました。

概要

間質性肺疾患は、原因が200種類以上あるとされる難治性肺疾患である。夏型過敏性肺炎は、 Trichosporon asahii により引き起こされる間質性肺疾患のひとつであるが、血中抗 T. asahii 抗体の評価が診断の補助として臨床的に行われている。しかし、 T.asahii の曝露が明らかでない間質性肺炎患者での臨床的意義は不明である。そこで今回我々は、当科に精査入院した間質性肺炎患者を対象として、 T.asahii 陽性患者を T. asahii 抗原曝露の有無で2群に分け、最新の国際学会の過敏性肺炎ガイドラインの診断基準に従って高分解能CT、気管支肺胞洗浄液と経気管支肺生検組織学所見を後方視的に解析した。抗原曝露有群では T.asahii 抗体価が有意に高く、気管支肺胞洗浄液中リンパ球分画は高い傾向があり、国際学会のガイドラインによる過敏性肺炎診断確信度が有意に高かった。以上の結果から、夏型過敏性肺炎診断では、血中 T.asahii 陽性の結果のみではなく詳細な問診による抗原曝露有無の確認が重要であると考えられた。

関連サイト

連絡先

  • 公立大学法人福島県立医科大学 医学部 呼吸器内科学講座
  • 電話:024-547-1360
  • FAX:024-548-9366
  • 講座ホームページ: https://fmu-pulmo.jp/
  • メールアドレス: kawamata@fmu.ac.jp (スパムメール防止のため、一部全角表記しています)

ページの先頭へ戻る