第26回日本心不全学会学術集会 優秀演題賞(令和4年10月受賞)

簡易版ARC-HBR基準は心不全患者の不良な予後を予測する

簡易版ARC-HBR基準は心不全患者の不良な予後を予測する

福島県立医科大学の循環器内科学講座の助教、佐藤悠氏の公式なプロフィール写真。

佐藤 悠(さとう・ゆう)

医学部 循環器内科学講座 助教

研究グループ

佐藤 悠、義久精臣、竹石遼平、大原妃美佳、菅原由紀子、一條靖洋、寶槻 優、渡邊孝一郎、阿部諭史、三阪智史、佐藤崇匡、及川雅啓、小林 淳、中里和彦、竹石恭知

今回の受賞について

日本心不全学会

心不全に関する研究を推進し、わが国における医学の発展に寄与することを目的とした学会(学会HPより)。

賞について

一般口演「肺高血圧/その他」セッションにおける優秀演題賞。

概要

出血イベントを起こした心不全患者の生命予後が不良であることが報告されているが、心不全患者の出血リスクの評価が心不全患者の予後予測に有用であるかは明らかではなかった。そこで本研究では冠動脈疾患患者に広く用いられている出血リスクの評価法である簡易版ARC-HBR評価基準を用いて心不全患者を評価し、その予後を調査した。合計2,437名の心不全患者を簡易版ARC-HBR基準により高出血リスク群2,026名83.1%と非高出血リスク群411名16.9%に分類した。高出血リスク群はより高齢であり血中B型ナトリウム利尿ペプチド値が高値であったが、左室駆出率は2群間に有意差を認めなかった。カプランマイヤー解析では心不全再入院、主要脳心血管イベント、総死亡いずれも高出血リスク群にて発生が高率であった(各log-rank P < 0.001)。コックス比例ハザード解析では高出血リスク群の心不全再入院、主要脳心血管イベント、総死亡のハザード比はそれぞれ3.314、2.231、3.197であった(各P < 0.001)。以上から簡易版ARC-HBR評価基準は心不全患者の不良な予後を予測することが示唆された。

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