第104回日本泌尿器科学会 総会賞 優秀演題 〔平成28年4月受賞〕

Relationship between the Gene Expression Profiles of Renal Cell Carcinoma and Both Prognostic Molecular Classification and Response to Targeted Therapy

網羅的遺伝子発現解析における腎細胞癌の予後分類と   分子標的治療の効果との関連性

医療白衣を着た男性の顔写真。眼鏡をかけ、真剣な表情でカメラを見つめている。

柳田 知彦(やなぎだ・ともひこ)

医学部泌尿器科学講座 講師

今回の受賞について

【 日本泌尿器科学会と総会賞について 】
日本泌尿器科学会は、泌尿器科医8、200名強の会員によって構成される泌尿器科における基幹学会で、その最大の学術集会である総会は、今年で104回を迎えました。
総会賞は、年次開催の総会の応募演題の中から選出され、今回優秀演題として表彰を受けました。

概要

腎細胞癌は進行例での致死率が高く、臨床の場において治療に難渋する泌尿器癌の一つです。 腎臓の様々な部位をoriginとして発生し、少なくとも5つの組織亜型があります。この中で淡明細胞型は80%以上を占め、最も多い組織亜型になります。腎細胞癌は、このような病理組織のみならず遺伝子発現において、さらに臨床経過や分子標的薬などの治療薬への反応性においても多様性を示すことが特徴であり、臨床の場での判断に苦慮する要因にもなります。 今回の研究では、最も治療機会が多い淡明細胞型腎細胞癌を対象として網羅的遺伝子発現解析を行い、この遺伝子発現様式での分類が疾患予後と強く相関することを確認しました。さらに、臨床における淡明細胞型腎細胞癌を38個の遺伝子発現に基づいて3つのサブグループに分類することが可能で、それぞれのグループごとに分子標的薬の治療効果に相違があることが示唆されました。 これらの結果から、この分類は臨床における予後予測や治療薬選択に臨床応用できる可能性が示唆されました。

(柳田 知彦)

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