福島県内初となる経頸静脈的肝生検(TJLB:Transjugular Liver Biopsy)を導入しました
福島県立医科大学会津医療センターは、出血リスクが高く、従来の方法では肝生検の実施が困難な患者さんを対象とする経頸静脈的肝生検(TJLB:Transjugular Liver Biopsy)を導入しました。
福島県内では初であり、東北地方でも極めて限られた医療機関でのみ実施されているTJLBを導入し、診断から専門的な治療まで一貫して対応します。今回のTJLB導入により、出血リスクの高い患者さんに対する診断の選択肢が広がり、当センターの高度肝疾患診療体制がさらに強化されました。
出血リスクに配慮しながら肝臓の組織を採取
肝生検は、肝臓の組織の一部を採取して詳しく調べ、肝疾患の診断や治療方針の決定につなげる重要な検査です。一般的な経皮的肝生検では、皮膚の上から肝臓に針を刺して組織を採取します。一方、TJLBでは、首の静脈(頸静脈)からカテーテルを挿入し、血管内から肝臓の組織を採取します。
経皮的肝生検と比べて手技は複雑になりますが、生検後の出血をはじめとする重篤な合併症のリスク低減が期待できることが大きな特徴です。これまで出血リスクなどのために経皮的肝生検が困難であった患者さんにとって、安全性に配慮した新たな検査の選択肢となります。
令和6年度診療報酬改定で保険収載
TJLBは、学会からの提案や医療技術評価分科会での検討を経て、出血リスクのある患者さんに対する安全性の向上という観点から、令和6年度診療報酬改定で新たに保険収載された医療技術です。
当センターでは、令和7年に消化器内科から導入の提案を受け、施設基準の届出に向けた準備を進めました。その後、院内の高難度新規医療技術評価部会による審査・許可を経て、令和8年2月に初めて実施しました。令和8年2月から5月までに、計4例を実施しています。
県内の高度専門医療の充実に貢献
TJLBの導入により、これまで出血リスクなどのために肝生検の実施が難しかった患者さんにも、安全性に配慮した検査を提供できるようになりました。
当センターは、会津地域における高度急性期医療を担う大学附属病院として、新たに保険収載された医療技術についても、十分な安全管理体制を整えた上で導入し、安全性に配慮した質の高い医療を提供してまいります。
また、地域の医療機関との連携をさらに深め、会津地域をはじめとする県内の患者さんが、身近な地域で専門的な肝疾患の診断と治療を受けられる医療提供体制の充実に貢献してまいります。
TJLBの概要
正式名称 経頸静脈的肝生検(Transjugular Liver Biopsy)
対象 肝生検が必要であるものの、出血リスクが高く、経皮的肝生検の実施が困難な患者さん
特徴 頸静脈からカテーテルを挿入し、血管内から肝組織を採取することで、生検後の出血をはじめとする重篤な合併症のリスク低減が期待されます。
導入時期 令和8年2月
実施件数 4例(令和8年2月から5月まで各月1例)
実施体制 放射線科、消化器内科、放射線部、看護部、臨床工学部