学会等参加報告
名古屋大学病院光学医療診療部 見学
2025年3月14日,胃癌学会参加の合間をぬって,引地先生と中村先生が,名古屋大学病院光学医療診療部を見学する機会を,名古屋大学消化器内科の川嶋教授と廣瀨先生からいただきました.
廣瀨先生が,難易度が高い十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術を見事な技術で施行されました.
その後,胆膵チームの山雄先生が,胆管と膵管への経鼻ドレナージカテーテルの留置に成功しました.
名古屋大学の技術の高さとチームプレーのすばらしさとともに,光学医療診療部の運営状況も勉強させていただきました.
お声がけいただいた廣瀨先生に感謝いたします.
他施設との交流は重要さも感じました.
(※ 画像をクリックすると拡大画像がポップアップで表示されます)
第97回日本胃癌学会総会
2025年3月12日(水)から3月14日(金)にかけて,第97回日本胃癌学会総会が名古屋市の名古屋コンベンションホールで開催されました。本学会は,胃癌診療の最新知見を共有する場として,外科手術や化学療法とともに,内視鏡診断・治療,AI技術の活用など,多岐にわたるテーマが取り上げられました.
内視鏡診療部からは,部長(病院教授)の引地拓人,副部長(学内講師)の中村純が参加しました.引地は,学会内の附置研究会「ESD研究会」に世話人として参加しました.中村は,ワークショップ9「Digital Innovation時代のLECS/D-LECSの工夫」において,「胃上皮下病変に対する腹腔鏡内視鏡合同手術 -内視鏡医側の視点から」という演題を発表しました.また,公立相馬総合病院の藁谷雄一先生(以前,内視鏡診療部に所属)および同病院の上田健太先生(消化器内科学講座所属)が一般演題を発表しました.
本学会では,消化器内視鏡の診断や治療に関連する内科系のセッションも多く開催され,知識を深める貴重な機会となりました.また,消化器内視鏡医として,AI支援診断の実装や,安全かつ効果的なESDの技術向上に取り組む必要性を改めて認識しました.
今回得た最新の知見を,今後の診療や研究に活かしていきたいと思います.
(※ 画像をクリックすると拡大画像がポップアップで表示されます)
GI Week 2025
2024年2月21日(金)から23日(日)に,GI week 2025が東京都新宿の京王プラザホテルで開催されました.このGI weekは,第21回日本消化管学会総会学術集会,The 18th IGICS (International Gastrointestinal Consensus Symposium,第52回日本潰瘍学会,第18回日本カプセル内視鏡学会学術集会の4学会が合同で開催されるものです.内視鏡診療部から,部長の引地拓人(病院教授),根本大樹(助教),加藤恒孝(助教),栁田拓実(助手)が,内視鏡診療部関連では亀岡英介(福島赤十字病院)が参加しました.
引地は,日本消化管学会ならびに日本カプセル内視鏡学会の代議員の立場のほか,日本消化管学会のコアシンポジウム 消化管腫瘍学の新展開【咽頭・食道・胃の腫瘍性病変における内視鏡診断の最前線】において,主司会を務めました.
根本は,日本消化管学会のコアシンポジウム 消化管疾患治療学の新展開【消化管治療での新テクノロジー】において,「バルーン内視鏡時の新規オーバーチューブ固定具の有用性」を発表しました.
加藤は,日本消化管学会総会学術集会のコアシンポジウム 消化管腫瘍学の新展開【咽頭・食道・胃の腫瘍性病変における内視鏡診断の最前線】において「TXI観察下ヨード染色による表在型食道扁平上皮癌の視認性」を,シンポジウム 消化管狭窄に対する内視鏡治療において「悪性食道狭窄に対するOver-the-scope clip による固定を併用した食道ステント留置術」を発表しました.
栁田は,日本消化管学会総会学術集会の一般演題で「孤立性胃静脈瘤に対する組織接着剤注入硬化療法」を発表しました.
亀岡は引地の指導のもと,日本消化管学会総会学術集会の一般演題で「感染診断に胃液PCR法を利用したヘリコバクター・ピロリ診療の現状」を発表しました.
今回も,主題演題での発表や福島医大が得意とする静脈瘤に対する内視鏡治療の発表など,大変実りのある学会参加でした.会場の内外では熱い議論が繰り広げられ,得られた新しい知見を今後の診療や研究に活かしていきます.
(※ 画像をクリックすると拡大画像がポップアップで表示されます)
第173回日本消化器内視鏡学会東北支部例会・日本消化器病学会東北支部第218回例会
2025年2月7日(金)に第173回 日本消化器内視鏡学会東北支部例会が,2月8日(土)に日本消化器病学会東北支部218回例会が,仙台市の仙台国際センターにてそれぞれ現地開催されました.内視鏡診療部から,部長の引地拓人(病院教授)と,副部長の中村純(学内講師),根本大樹(助教),加藤恒孝(助教),栁田拓実(助手)が演者,司会・座長として参加しました.引地は,消化器内視鏡学会東北支部の幹事ならびに両学会の支部評議員,中村,根本,加藤,栁田は両学会の支部評議員としても参加しました.
引地は,消化器内視鏡学会のアフタヌーンセミナー「Alと協創する未来の内視鏡診療」で司会を担当し,消化器学会の特別シンポジウム「新たな医療技術の開発と社会実装」で「COVID19パンデミックにおける経口消化器内視鏡時の飛沫防止マウスピースの開発」を発表しました.
中村は,消化器内視鏡学会の一般演題「食道」で司会を担当し,消化器病学会の第27回専門医セミナー「食道良性疾患の診断と治療の進歩」で座長を担当しました.
根本は,消化器内視鏡学会のシンポジウム1「質の高い消化管疾患診療の実践と未来への提言」で「バルーン内視鏡用オーバーチューブ固定具の新規開発」を発表し,消化器病学会の一般演題「大腸3」で司会を担当しました.
加藤は,消化器内視鏡学会のシンポジウム1「質の高い消化管疾患診療の実践と未来への提言」で「EUS 診断をもとにした食道静脈瘤に対する効果的なEIS治療戦略」を発表し,消化器病学会の一般演題「胃・十二指腸3」で司会を担当しました.
栁田は,消化器内視鏡学会の特別シンポジウム「質の高い消化器内視鏡の実践を目指して ~若手専門医からの提言」で「20mm 未満の胃粘膜下病変におけるEUS-FNAの組織検体採取困難因子」を発表し,優秀演題賞を受賞しました.
また内視鏡診療部関連として,橋本陽(大原綜合病院)が,消化器病学会の専門医セミナーで症例提示を行いました.大塚充(消化器内科)が,消化器内視鏡学会の特別シンポジウム「質の高い消化器内視鏡の実践を目指して~若手専門医からの提言」で,「表在型非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍に対するgel-immersion EMRの有用性」を発表しました.工藤慶祐(消化器内科)が,消化器内視鏡学会の第29回プレナリーセッション「めざせ!消化器内視鏡専門医」で「計画的分割PDTで局所完全奏効を得たCRT後全周性局所再発食道癌の1例」を発表しました.さらに亀岡英介(消化器内科)が,橋本,引地が指導した論文「Rectal implantation cyst successfully diagnosed using endoscopic myotomy and endoscopic ultrasonography. Clin J Gastroenterol. 2024;17:647-653.」で,消化器病学会の学術症例賞を受賞しました.おめでとうございます.
学会当日,東北地方は強い寒波に見舞われましたが,参加した両学会いずれも活発な討論が行われていました.今回,主題演題を含む多数の発表を行うことができました.今後も発表を通じ,臨床や研究の質を高めていきます.
(※ 画像をクリックすると拡大画像がポップアップで表示されます)