よくある質問
脳神経外科について
脳外科医になって良かったことは何ですか?: 若手医師
脳・神経にまつわることについて、当然外科的に、そして内科的にも、急性期でも、慢性期でも、集学的に治療ができることだと思います。サブスペシャリティが多いので、人それぞれの資質が生かせると思います。顕微鏡を通して見る脳の美しさに、純粋な魅力を感じる脳外科医も多いと思います。一生を賭ける価値のある仕事だと思います。
脳外科医になって良かったことは何ですか?: 中堅医師
私が初期研修医の時には重症の脳梗塞で亡くなられたり、重篤な後遺障害が残ったりする患者さんが数多くおり、それは仕方がないことと考えられていました。卒後4年目の頃に脳梗塞に対するカテーテルでの血栓回収療法が日本でも認可されました。以前であれば寝たきりになるのが免れないような重症の脳梗塞であっても、この治療によって仕事に復帰できるまで回復するようになることもあり、素晴らしい治療だと感じています。
我々脳神経外科医は、技術を研鑽することによって患者さんの命を助けたり、生活に支障を来す症状を回復させたりすることができる仕事です。私が血栓回収療法に関わった患者さんから、『先日初孫が産まれて、抱くことができました』と外来で言われた時は、脳外科って良い仕事だなと思いました。
脳外科医になって良かったことは何ですか?: ベテラン医師
脳神経外科領域は幅広くかつ深遠な分野ですので、良い意味で一生勉強する、達成感を感じることが出来ます。結果として、手術、薬物治療、リハビリ、研究など本人のペースで臨むことがベテランになると段々できる様になります。意外につぶしのきくスペシャリストです。手術では顕微鏡、内視鏡、ルーペ等を重要場面では使用しますので、老眼があっても関係ないです。薬物治療、リハビリの知識も、真面目に臨床をしていると自然に身についてきます。一生研究を続ける神様のような大先生も時にいらっしゃいます。
脳外科は忙しいから止めておいた方が良いと他の科の先生から言われますが、本当でしょうか?
ご指摘の通り、忙しいとは思いますが、他の科も十分忙しいと思います。脳神経外科が忙しいと言われる所以は、頭部外傷や脳卒中など緊急で対応しなければない事例が発生するということと、手術時間が総じて長いと思われがちなことにあると思います。
重症頭部外傷や脳卒中で救急搬送された患者さんの「もと通りの生活」を取り戻すためには、私たち脳神経外科医を含めたチームの技術や知識が必要不可欠ですし、夜間や休日であっても機を逸することなく対応する必要があります。このような技術や知識を身につけるためにはどうしても時間がかかりますし、時間外の勤務も多くなりがちですが、患者さんが回復したときの達成感は大きい科だと思います。
脳神経外科の手術は短いものであれば30分以内、長いものだと10時間以上とその幅は広いですが、数的には3-5時間の手術が多いと思います。
どこの科もそうですが、当科も働きやすい環境を整えるべく、病院の集約化などを図り、拘束時間を減らす努力をしております。
脳神経外科医はずばり、モテますか?
モテるそうです(笑)。でも人によるかもしれません。
M3.comの2020年アンケート調査では脳神経外科の医師の結婚率は男性94.3%、女性80%と平均よりも男女共に上回っており診療科別の割合の順位はどちらも2位という結果でした。自分で調べてびっくり。
恋心を科学的に理解しているからなのでしょうか?
学生時代の成績が悪いと、脳神経外科医になるのは難しいですか?
成績が良いと、将来、論文を書いたりする能力は高いかもしれません。しかしながら、成績が良いことと、外科手技を含めた臨床的センスや患者さんとのコミュニケーション能力などは必ずしも比例しません。どの方も一長一短あると思います。
医師国家試験に合格できている方という前提にはなりますが、がんばっていこうという意欲があれば、脳神経外科医になることに関して、学生時代の成績はあまり関係ないと思います。
脳神経外科を目指している研修医です。今のうちからやっておいた方が良いことなど、アドバイスをお願いします。
糸結びなどの手軽に練習出来る基本的な外科手技は、事前にやっておくと良いかもしれません。画像読影の知識などは役立つとは思いますが、将来、当科と関連性があまりないと思われた科の知識が役立つことも少なくありません。
脳神経外科の勉強はこれからいくらでも出来ますので、今は他の科の研修を疎かにせず、目の前の症例を大切に学んでいてください。
専門医研修について
大都市より地方の方が、早い段階から色々と手術をさせてもらえると聞きましたが、本当でしょうか?
習熟の速さは人それぞれですし、患者さんに安全かつ良質な医療を提供するという観点からも、地方においてむやみに独り立ちが早いことはないと思います。ただ人手が少ないことは事実で、手を洗う機会(手術に入る機会)は必然的に多いと思います。助手の機会をうまく活かせることができれば、手術に対する理解や手技は上達しやすいと思いますし、早い段階で手術を任せてもらえるようになるかもしれません。
脳神経外科専門医試験は難しいですか?
専門医として責任のある資格ですから、ある程度の難易度は当然と思いますが、特別難易度が高いわけではありません。過去5年(第54-58回)の認定試験では、筆記85-90%、口頭90-95%程度の合格率で推移しており、着実に研修をこなし受験準備をすればどなたでも十分合格可能な試験です。
脳神経外科は日本専門医機構の定める19個の基本領域科の1つです。専門医資格に関しては、1つの試験を合格すれば取得できますので、その点では他科と比べてシンプルと言っても良いかもしれません。
専攻医の研修期間中、勤務先は選べますか?
家族・家庭の事情に合わせて、勤務地の希望をかなえる事は概ね可能です。
福島県は東から西に向かって浜通り、中通り、会津と大きく地区が分かれます。福島市は中通りの北、郡山市は中通りの南、相双地区が浜通りの北、いわき市が浜通りの南というイメージです。当医局の連携病院は、主に浜通りと中通りに点在しています。
各地域の脳神経外科診療を担うことが、我々医局員の使命の1つであり、専攻医の皆さんには、半年から1年程度の間隔で、これらの地区の脳神経外科(総合病院)をローテートし、研鑽を積んでいただきます。なるべく、専攻医の皆さんのローテートが均一になるように調整しています。
サブスペシャリティについて教えてください。
初期臨床研修2年ののち、脳神経外科専門プログラムのもと4年以上の後期研修を経ると、脳神経外科専門医資格を取得することが出来ます。よって最短医師7年目で専門医取得が可能です。専門医取得後、各サブスペシャリティ領域に特化した専門研修を行うことが出来ます。
日本脳神経外科学会では、サブスペシャリティを下記の8領域に分類しています。
① 脳腫瘍、②脳血管障害、③脊椎・脊髄、④外傷、⑤機能、⑥小児、⑦その他の分野(教育・技術など)、⑧学際的領域(各領域に横断的に関わる神経内視鏡・頭蓋底外科・定位放射線治療・リハビリテーションなど)。
入局について
大学院生として博士課程にすすむのは必須ですか?
必須ではないと考えていますが、大学院に入り研究を行うことで様々な知見が広がり実際の臨床での幅がでます。
福島県立医科大学では長期履修届を出すことで最大8年間大学院に在籍ができますので、臨床の傍ら大学院講義の聴講や研究が可能です。当科で行っている研究内容は基礎から臨床まで様々ですが、入学のタイミングにより研究内容が変わります。研究したいテーマがあれば入学するのも一つの手です。ぜひ一緒に研究を行いましょう。
入局するメリットは何でしょう?
脳神経外科と一口に言っても、たくさんのサブスペシャリティがあります。
専門医になるためにはそれぞれについて一定以上の知識や経験がなくてはなりません。教育システムや手術のノウハウの蓄積があるという点は、医局に所属することのメリットと思います。また医局に所属する場合、若いうちは大学以外の関連施設を定期的に異動することになります。このことは定期的に引っ越しが必要となるデメリットはありますが、同一施設で同じやり方で仕事をするよりも、いくつかの施設(病院)で少しずつ異なる診療方法を学べるため、自身の将来的な外科手技や日常診療のスキルに幅が出て、より良いものになると思います。
入局はいつが良いですか?
基本的には初期研修修了後すぐの入局が良いと思います。
脳神経外科専門医取得のためには、いずれかの施設の研修プログラムに専攻医として所属して4年以上の研修が必要となり、その間に腫瘍や血管障害の他、小児や脊髄症例など様々な経験が必要です。
入局することで関連病院との繋がりも増え、余裕をもって経験を積むことができます。また日常診療や学会発表、論文執筆等で経験豊かな上級医から学ぶことが多く、入局して良かったなと感じています。
一方で、救急科を経て脳神経外科の道へ進んだ医局員もおり、他分野で経験を積むなどの選択肢は複数あって良いと思います。
女性医師支援について
女性医師は勤務していますか?
はい。専攻医3名、専門医3名の計6名の女性医師が大学に在籍しております。
数名が関連病院での勤務となるため、同時期に大学で勤務するのは1~3名程度です。
また、女性医師のうち3名が子育て中のママドクターです。産休・育休期間や復帰後の勤務形態など、家庭との両立が可能となるよう配慮しておりますので、ご相談ください。
院内保育所はありますか?
はい。福島県立医科大学内に「託児所すぎのこ園」が整備されています。
通常保育、夜間保育、一時預かりがあります。
また病児病後保育所として「すくすく」があります。
ともに勤務する職員 (研修医、准職員及び非常勤職員等を含む) 及び 福島県立医科大学に在籍する学生 (博士研究員を含む)が利用可能です。
詳細は下記よりご覧ください。
福島県について
福島県の気候について
福島県は東北の玄関口のため、雪深いと思われがちですが県庁所在地のある福島市の降雪量は47都道府県中12位とそれほど雪深くありません。
また福島県全体の晴天日数も年間210.9日と全国平均の212.3日とほぼ変わらず、過ごしやすいといえます。
また、大きく3つの地域があり、天気予報などもこの3つで分類されています。
(海 側)浜通り・・・南相馬市、いわき市など
(中央部)中通り・・・福島市、伊達市、二本松市、郡山市田村市、須賀川市、白河市など
(西 側)会 津・・・喜多方市、会津若松市、猪苗代町など
ちなみに野口英世先生の出身地は会津地域の猪苗代町です♪
福島市について
春は過ごしやすく、桜の名所になっている山が観光客でにぎわいます。
夏は暑くなります。大きな夏祭りがあります。車で1時間半くらいかけて遠出すると海にも行けます。秋にも伝統ある祭りがあります。車で1,2時間くらい行くとキャンプできる場所があります。冬に雪が降るのは4,5回くらいになりました。
最初はラーメン屋と居酒屋ばかり目につきましたが、開拓していくとたくさんの個性豊かな飲食店が見つかります。
医大自体は福島駅からは離れていますが、駅前には大学や高校、専門学校が集まっていて、若い人が多いです。
福島県では経済の中心は郡山にあり、歴史の蓄積は会津にあり、住みやすい気候はいわきにあり、と昔福島県に来たばかりの時に聞きました。
では福島市には何があるのか…?というと、それらがバランスよく揃っています。