伝える、ということ

6月に、カナダのモントリオールで開催された第31回国際血栓止血学会に参加してきました。国際学会に前回参加したのは、コロナ前の2019年なので、実に4年ぶりでした。

血栓止血学会は、出血や血栓を対象とする学会です。出血や血栓の病態メカニズムや治療法、検査法などに関し、基礎から臨床まで幅広く扱う学会です。参加者は医師がメインですが、最近では臨床検査技師も増えており、また基礎系研究者も多数参加しています。出血や血栓は多くの診療科が関わる病態なので、血液内科をはじめ、小児科、救急科、循環器内科、膠原病内科、神経内科、腫瘍内科、整形外科、産科婦人科など幅広い分野から参加者が集まることが血栓止血学会の大きな特長です。私は今回、血液凝固異常症の原因を鑑別する新しい検査法の研究成果を発表してきました。

国際学会は、魅力に溢れています。世界の最先端の研究に触れると心が躍り、新しいアイデアが浮かんできたりして、ワクワクします。また、海外の学会はディスカッションが積極的なので、多くの人と気軽に意見交換できることも魅力です(尊敬する海外の先生とも気軽に話せちゃいます)。学術的な話はもちろん、話が弾むと、文化的な話にまで広がることもあり、知識が深まり、物事を考える視点が広がります。また、海外のグルメを楽しめることも魅力ポイントです。

国際学会では、基本的に、英語で会話します。だからといって、完璧な英語能力が求められるわけではありません。自分が伝えたいこと話したいことを、身振り手振り交えて、言葉で表現すれば良いのです。もちろん、これは英語に限ったことではありません(日本語でも同じです)。大切なことは、人に伝わるように・理解してもらえるように工夫して話すことです。このスキルは、一朝一夕に身につくものではありません。普段から、「人に伝わるように」ということを意識して話す習慣をつけると良いと思います。私が担当する実習を含め、本学の実習では、実習したことを発表(プレゼン)する機会がたくさんあります。実習では、専門的な知識や技術の習得だけでなく、発表スキルを身につけることにも取り組んでみてください。



国際血栓止血学会の開催を告知する看板、モントリオールの会場内の様子。

メッセージ一覧

ページの先頭へ戻る