第1回保健科学部公開講座 開催レポート
令和8年5月16日(土)、福島駅前キャンパス1階にて「第1回保健科学部公開講座」を開催しました。
第1回は「スポーツ・ダンス愛好家のためのからだづくり」をテーマとし、当日は県内・県外から約200名の方が本キャンパスを訪れ、体験コーナーや講演+トークセッションに参加しました。
体験コーナー
13時の開場後、体験コーナーでは理学療法学科の学生スタッフの案内のもと、パラリンピックの種目である「ボッチャ」を楽しむ参加者や、測定体験(長座体前屈・全身反応速度)でトークセッションのゲストであるOWV(オウブ)の本田さんと佐野さんが事前に測定した記録に挑戦する参加者の姿が見られました。

パラスポーツ「ボッチャ」体験 測定体験(長座体前屈)

測定体験(全身反応速度) 測定体験は学生の発案でランキング形式に
第1部 講演
14時より第1部の講演がスタート。
開会の挨拶として、五百川和明(いおかわかずあき)保健科学部長が「大学で生まれる知識や技術、研究成果は、社会の中で活かされてこそ意味がある。特に保健科学は、人々の健康や暮らし、人生そのものに深く関わる分野であり、地域の皆さまと共有し、役立てていただくことが大切だと考える。本日のような取り組みを今後も重ねながら、地域に必要とされる学部として成長してまいりたい。」と述べました。
挨拶の後、理学療法学科の遠藤康裕(えんどうやすひろ)講師が登壇。
「『ずっと楽しく動ける体』のヒケツ」と題し、「自分の身体を知ることが、健康づくりやケガ予防の第一歩になる」として、①「準備」の大切さ、②自身のカラダを知る/姿勢の大切さ、③ケガ予防に関する講演を行いました。
「準備」の大切さでは、パラスポーツを含めたスポーツの現場での選手のサポートの経験を踏まえ、「華やかなパフォーマンスの裏にはとても地道な準備がある」とし、ウォームアップの大切さについて解説しました。
また、「自分に無いものに目を向けるのではなく、自分の身体を知り、今ある機能をどう使うか」といった着眼点の転換を促し、自分の身体を使いこなすためには準備が重要であり、準備運動は前置きではなく最初の「練習」であると述べました。
自身のカラダを知る/姿勢の大切さでは、デスクワーク等で身体が固まってしまうと、本来動くべき関節がうまく動かない分、負担が別の場所にかかり、痛みやケガにつながりやすくなると解説。
股関節の動きや胸椎の動きを確認する動作や、姿勢リセットのための動作を教授する場面もあり、自身の関節の動きに驚きの声を上げる参加者も。自分の身体と向き合うことの大切さを改めて認識するパートとなりました。
最後のケガ予防では、運動が終わった後の過ごし方として、急に止めるのではなく身体を動かしながら回復を促すアクティブリカバリーを提唱。からだづくりや週末の充実したスポーツライフには、日常の小さな積み重ねが重要と解説しました。
講演の後の「質問コーナー」では、参加者から事前に寄せられたからだづくりに関する質問に対し、遠藤講師が医学的見地から分かりやすく回答しました。
第2部 トークセッション

OWV(オウブ)の本田康祐さん(左)、佐野文哉さん(右)
第2部のトークセッションでは、4人組ダンス&ボーカルグループ「OWV(オウブ)」から、本田康祐(ほんだこうすけ)さん(福島県田村市出身)と、佐野文哉(さのふみや)さんが登場。
本田さんは高校時代に陸上競技の国体強化選手に選出される程のスポーツマンであること、また佐野さんはTV番組の長距離走企画において数々の成績を残し「アイドル界最速」として知られており、「ふくしまシティハーフマラソン2026」を翌日に控える福島にぴったりのゲストとしてお二人をお迎えしました。
司会の阿部浩明(あべひろあき)准教授(理学療法学科)の「今日はトークイベントですので踊らないそうですが、毎日踊っているOWVのお二人なら、音楽が流れたら思わず踊ってしまうのでは?」との問いかけから音楽がスタート。
会場の期待のこもった手拍子に応え、「ROCKET MODE」のサビを披露していただきました。
ダンスパフォーマンス終了後、佐野さんのインタビューへ。
空手・野球・陸上・ダンスなど長年スポーツを経験してきた佐野さんが一度も大きなケガをしたことがないという話から、佐野さんのケガをしにくい身体について秘密を探る流れに。
佐野さんはご自身のケガのしにくさについて、「田舎出身であり山で遊んで鍛えられたこと、自分の身体を理解しており危機察知能力が高いこと、色んなスポーツをやっており使う部位が違うので痛めにくいのでは」と分析。
ここで身体の秘密を探るべくダンスの動作解析を行うところでしたが、機材トラブルがあり一時中断し次の企画へ。
中断中、本田さんは「トラブルは付き物。動画も復興しますよ、福島と一緒です」とフォローしてくださり、本田さん、佐野さんと参加者の掛け合いもあって、会場内は温かい雰囲気となりました。
次の企画は、OWVのYouTubeチャンネルの動画内で佐野さんが発言した「(筋肉が緩んでしまうので)インターバル走の合間にはマッサージを受けない方が良い」という持論の検証です。
佐野さんの持論に対し、遠藤講師は「400m走を繰り返し行うインターバル走において、合間のマッサージはマイナス面もある。次の400mも100%の筋パフォーマンスを出すためには、筋肉の温度や張りを保っておくことが大切なポイント」と解説。また「(マッサージを受けずに次に備えられるのは)佐野さんが普段から他の参加者よりも負荷の高いトレーニングを積んでいるからこそ出来ることであり、佐野さんの身体に合っている」と続けました。
佐野さんは、「プロの目線からの解説を聞いて、自分の感覚は間違っていなかったと分かり安心した」と笑顔を見せました。
次の本田さんのインタビューでは、水泳・野球・陸上・ダンスと佐野さんと同じく多彩なスポーツ遍歴に着目。
野球では市の選抜に選ばれ、OWVのYouTubeチャンネル内でも抜群の運動神経を見せる本田さん。特に「足が速かったのでモテたくて始めた」という陸上競技では、中学時代に4種混合競技で市の大会新記録、県大会優勝、東北大会4位と輝かしい成績を残し、スポーツ推薦で高校へ入学。
高校2年次に新リレーメンバーのエースとして期待され、全国大会出場を目指していたが、バトンパスの練習中にケガをしてしまい走れない状態に。
当時の心境について、「陸上選手にとっては致命的なケガで絶望的だった」と語る本田さん。阿部准教授の「当時は精神的にも相当ショックが大きかったと思いますが、どのように乗り越えたのでしょうか?」という質問に対し、「当時の僕を支えてくれたのがダンスだった。陸上に対するやるせない気持ちに対して、ダンスが新しい心の動きに導いてくれた」と答えました。
ここで機材トラブルが解決したため、企画を一旦戻すことに。
OWVの楽曲「Time Jackerz」について、学生、本田さん、佐野さんに踊っていただき、その様子を解析しました。
まずは本学のダンスサークルに所属する理学療法学科の学生の動画を鑑賞。難しいダンスを踊る学生の姿と、モーションキャプチャーシステムによる解析に、会場からは驚きの声が上がりました。
次に、本田さんと佐野さんの単体のダンス動画をそれぞれ鑑賞。
遠藤講師が、本田さんのダンスの特徴として「柔らかくしなやかな動き」が目立ち、佐野さんのダンスは「急な動きかつ動きの幅が大きい≓キレがある」と評し、次の動画ではお二人の動画を並べ、特徴を数値で比較することに。
動作解析によるお二人のダンスの比較に興味津々で、思わず席を立ちグラフを見つめる本田さん。
佐野さんの起伏の激しい波形と本田さんの滑らかな波形を見比べ、
本田さん「海外の山(佐野さん)と日本の山(本田さん)みたい!」
佐野さん「山による。」
本田さん「山によりました。(着席)」
というOWVらしいトークも見られ、会場を笑いに誘いました。
また、佐野さんのケガのしにくさについて、遠藤講師は「第1部の講演で述べたJoint by Jointセオリー(よく動くべき関節と安定すべき関節の交互の積み重なり)の関節の使い方がとても効率的に出来ている。体幹がしっかり安定しているからこそ大きな動きをしても関節に負担がかかりにくいのではないか。」と分析しました。
最後は遠藤講師が考案したOWVの楽曲「EASY」に合わせたケガ予防のストレッチを、指定席エリアの参加者だけでなく、自由観覧エリアの方を含め全員で行いました。
ストレッチ動画はこちら!
閉会の挨拶では、本田さんは「とても楽しかった。これからも福島に来れるように頑張るので応援よろしくお願いします」、佐野さんは「これまで身体のことを深く知る機会がなかったのでとてもためになった。またの機会には、福島で皆さんと一緒に走りたい」とコメント。遠藤講師は「明るい雰囲気の中で本学を知っていただけて良い機会になった」と述べ、和やかに幕を閉じました。
本田さん、佐野さん、ありがとうございました!

保健科学部では第2回、第3回と公開講座を続けていく予定です。
今後もぜひ関心をお寄せいただきますようお願いいたします。

ストレッチ動画
理学療法学科 遠藤康裕講師が考案したストレッチ動画を公開しました!
※著作権の関係上、音源はピアノ演奏に差し替えております