先輩の声
大学院生の声
看護学研究科精神看護学領域
小椋 博美
「大学院で学ぶということ」
私は精神看護学をもっと深く学んでみたいという思いから大学院進学を決めました。現在も働きながら研究コースで学んでいます。
講義では自分で調べてプレゼンテーションを行い、先生や一緒に学ぶ仲間とのデスカッションを通して、理論を現象と結びつけて理解したり、アセスメントに必要な知識や技術を学んでいます。さらに、臨床での実践を評価しデスカッションをすることで、対象への関わりやアセスメントに深みを持たせることができ、充実した時間を過ごしています。
その一方で研究を継続していく過程では、表面的な側面でしか現象を捉えておらず、自分は何を研究したいのかに迷走し、自分と向き合う苦しさを経験しました。苦しい時でも大学院に来ると、一緒に学ぶ仲間や先輩方に支えていただき、「1人じゃない、大丈夫。」と思えることができ、ここまで継続できたことに感謝します。
今後も仕事との両立を図りながら自身の研究を継続し、看護を探求していきたと思います。
修了生の活躍
山形県立こころの医療センター
佐藤 充
「私を支えてくれた福島」
私は福島で過ごした2年間の経験を非常に大切にしています。先生方や仲間達とのディスカッションでは「そういう考えもあるのか」と視野が広がり、先生方が引き合わせてくれた先輩CNSの方々からはたくさんの刺激をもらい、学ぶことに貪欲になりました。さらには、「失敗すること」「つまずくこと」から立ち上がる精神力を培いました。それもこれも立ち上がることを上手に支えてくれる先生方や仲間達がいたからだと思います。修了の際には「やるかやらないか」ではなく、「やるかすごくやるか」の思考を身に付けることができました。
現在、私は山形県立こころの医療センターで狭義のCNSをしています。CNSを目指す動機づけが「CNSって夜勤しなくても良いらしいよ」というただの思い込みでしたが、今では楽しく3交替をしています。”困った時のCNS”といった存在になれるように今後も励んでいきたいと思います。
大崎市民病院
佐藤 このみ
「せん妄ケアについてもっと知りたい!学びたい!」
精神科病院で経験のない私が、患者さんにもっと寄り添う看護ができるようになるためには・・・と悩んだ末に叩いたのが精神看護の門でした。それまでは救急看護領域を中心に経験を積んでいたので、見るもの、触れるもの、出会う人、すべてが新鮮で学びの多かった大学院生活でした。「あなたの力にならせてください」と私はよく患者さんに声がけするのですが、それは修士課程で学んだ〝患者さんの力になり続ける〟という学びが活きているのだと思います。私の看護の根っこを作ってもらいました。
そんな私も、もうすぐリエゾンナースとしての経験が一般科での経験を上回ろうとしています。まだまだ「精神科の経験がないので・・・」と言いたくなる状況は沢山ありますが、経験豊富な「チーム精神看護」の仲間にも支えてもらいながら、患者さんの身体と心を繋ぐサポートをさせていただいています。
飯塚病院
明間 正人
「笑顔のために」
私は、働きながらの長期履修制度を用いて3年で修了するところを、東日本大震災を経験したため特例で1年延長。修了後にCNSを志し、科目履修生としてさらに2年追加。合計6年の大学院生活となりました。
今も昔も変わらないのが「患者さんの笑顔が見たい」ことなのですが、単純な笑顔ではなく、何かを乗り越えたときの笑顔がたまらないのです。この笑顔を見るためには、経験だけではなく知識や技術が必要です。この笑顔を見る機会が増えたのは、大学院で知識や技術を学んだからだと思います。あたりまえですが、優しいだけでは救えない人が大勢います。
現在は看護部長という職位に加え、日本精神科看護協会福島県支部で支部長をさせていただいています。自分の病院や、ひょっとしたら福島県をフィールドに、少しでも笑顔を増やせるように貢献できればいいなぁと思っています。
少しでも共感できる方、仲間になりましょう!
相馬広域こころのケアセンターなごみ
米倉 一磨
「大学院と仲間」
私は、大学院は働きながら通う長期履修制度を利用して3年間で修了しました。毎週往復120キロの山道を主にバイクで通い、突然大雪がふり自分が雪だるまになり凍えそうになったこともありました。無事修了し、いつもの日常に戻りほっとしたのも束の間、福島第一原子力発電所が起こり勤務先の病院が休止になったのです。一時避難をした後、仕事もないので、福島県立医科大学心のケアチームのボランティアをしようと行った先には、たまたま大学院の教員でもあった恩師の大川先生やチーム精神の仲間と出会ったのです。
誰も経験したことのない中長期の震災支援。次々と支援者が撤退する中、困った時には、チーム精神が駆け付けてもらい乗りきることができました。
今振り返ると大学院とは、困ったときに助けてくれる信頼できる仲間との出会い、そしてどんな時でも柔軟に対応できる思考力という2つの大事な宝物をもらったのではないかと思っています。
岩手医科大学看護学部
遠藤 太
「チーム精神看護、福島への思い」
私は平成15年、福島県立医科大学大学院看護学研究科(精神看護学領域)修士課程に第6号生として入学し、晴れてチーム精神看護の一員となりました。17年に卒業し、その後専門看護師(CNS)コースの科目履修を1年かけて学びました。すぐCNSとして臨床に戻ることも考えましたが、当時の指導教員の中山洋子教授より、「修行が足りない」と言われて大学の助教として3年間残らせていただくことになりました。そこから、現在まで10年以上大学教育に携わることができております。
思えば、その3年間に指導していただいた中山先生、大川貴子先生等尊敬できる先生たちに出会い、大学院の多くの仲間と出会って、それを基盤に今の自分がいるんだなあとしみじみ感じる毎日です。まあ、いつもバタバタと大変な日々はあの頃と同じですが。
現在は同じ東北でも遠く岩手県在住ですが、節目を見て福島へ戻り、生まれ故郷の地域精神看護に微力ながら貢献できたらいいなと思っています。